唐崎は奈良時代以前から地名として見られ、滋賀郡に属し、韓崎・辛前・辛崎とも書かれました。

 万葉集の「さざなみの志賀の辛崎幸あれど大宮人の船待ちかねつ」の歌にも詠まれ、当時から港の機能を持っていたことが窺えます。平安時代には七瀬祓所のひとつとして知られ、『蜻蛉日記』では都人がここへ祓に向かう様子が描かれています。

 この時期の和歌にもしばしば取り上げられ、『枕草子』でも「崎は唐崎、三保が崎」と名所として書き残されています。またこの地の「唐崎の松」は近江八景のひとつとされ、松尾芭蕉の『野ざらし紀行』では「唐崎の松は花より朧にて」の句が残されています。金沢の兼六園にある唐崎の松はこの地から分けられたものだそうです。

 琵琶湖の西岸に面し、歌川広重の「唐崎の夜雨」で知られます。境内にある唐崎の松は多くの歌人に愛されてきましたが、老木でほとんど枯れかけていました。

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