ラムゼイ・ハント症候群は、疲労やストレス、発熱などによる免疫力低下を誘因として、膝神経節に潜伏感染していた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化し、顔面神経を侵すことで発症します。

耳性帯状疱疹とも呼ばれ、特徴的な臨床症候(一側性の末梢性顔面神経麻痺と外耳孔周囲の発赤、水疱)を確認できれば診断は比較的容易です。一側性の末梢性顔面神経麻痺の中ではBell麻痺(多くは単純ヘルペスウイルスが関与する)に次いで頻度が高いです。

 顔面神経麻痺が中枢性か末梢性かの鑑別法は、両眼を大きく開けるように指示して前額部のしわを観察し、左右差が目立たなければ中枢性(核上性)、左右差があれば末梢性(核性または核下性)です。末梢性顔面神経麻痺では一側の顔面筋が全て麻痺するので一目瞭然であることが多く、麻痺側では額のしわが浅く、瞬目が弱く、眼裂が開大し、鼻唇溝は浅く、口角が下がります。

 治療は副腎皮質ステロイドが最も有効で、アシクロビル製剤やバラシクロビル製剤などの抗ウイルス剤が併用投与されます。

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