『更級日記』は、平安時代中期に菅原孝標女によって書かれた回想録です。菅原孝標女は菅原道真の5世孫で、13歳(1020年)から52歳頃(1059年)までの約40年間の人生を綴っています。

 この日記は、菅原孝標女が上総国(現在の千葉県)から京都へ帰京する旅から始まり、その後の人生を描いています。彼女の少女時代は『源氏物語』に夢中になり、その物語世界に憧れて過ごしました。しかし、30代で橘俊通と結婚し、家庭を持つと、源氏物語への熱中が薄れ、仏教への信仰が深まりました。

 『更級日記』は、その平明な文体と、作者の人生観や感情が率直に描かれている点で評価されています。また、『源氏物語』について最も早い時期から言及していたとされ、その点でも貴重な資料となっています。

 この作品は、『蜻蛉日記』や『紫式部日記』などと並ぶ平安女流日記文学の代表作の一つとされています。

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