「人間の証明」「悪魔の飽食」などで知られるベストセラー作家、森村誠一氏が死去しました。90歳でした。

 1969年に書かれた「高層の死角」を読んでから、森村誠一の推理小説をよく読みました。

 一番印象に残った本は、七三一部隊について書かれた「悪魔の飽食」です。元隊員であったという人物から提供されたとする写真を、新発見のものとして第2部の単行本に収録したところ、その一部が20世紀初頭の「満洲」におけるペスト流行のときの写真であったことが判明し大きな社会問題になりました。この問題により光文社は続刊を含むすべての版を回収し、絶版としました。

 何年か前にNHKスペシャル「731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~」を観ました。戦時中旧満州で密かに、国際法で禁じられていた細菌兵器を開発し実戦で使用したのが731部隊(石井部隊)です。NHKが発掘した、旧ソ連・ハバロフスク裁判の音声記録では、部隊幹部らが、日本に反発した中国や旧ソ連の人々を「死刑囚」とし、実験材料としていた実態を克明に語っていました。こうした実験を主導していたのが、京大・東大・慶応大学等から集められた研究者達でした。

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