がん悪液質とは、従来の栄養サポートで改善することは困難で、進行性の機能障害をもたらし、脂肪組織の減少の有無にかかわらず著しい筋組織の減少を特徴とする複合的な代謝障害症候群です。経口摂取の減少と代謝異常による負の蛋白、エネルギーバランスを特徴とします。しかし、いまだ不明な点も多く、癌種により悪液質を生じにくいものもあり、その進行速度も様々です。 

 悪液質に対する治療介入の臨床的意義は、食欲を増進し、骨格筋や臓器組織などから構成される除脂肪体重の減少(体重減少)を阻止することとされています。このことから、明らかな悪液質の症状を呈さず、代謝異常が軽度な状態から栄養サポートを行うことが栄養不良の進展の遅延、さらには抗がん治療への耐用性の向上が可能となると考えられています。現時点では悪液質の症状を呈した状態における治療としては栄養療法などが行われているものの、代謝異常に起因するがん悪液質を改善することができないのが現状でした。

 2021年4月に、がん悪液質治療薬アナモレリン塩酸塩(商品名エドルミズ錠50mg)の製造販売が承認されました。適応は「非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌におけるがん悪液質」、用法用量は「1日1回100mgを空腹時に経口投与」となっています。

 アナモレリンは、成長ホルモン(GH)分泌促進作用や食欲亢進作用を有する経口低分子グレリン様作用薬で、日本初のがん悪液質治療薬です。ペプチドホルモンの一種であるグレリンは、GH放出促進因子受容体タイプ1a(GHS-R1a)の内因性アゴニスト。GH分泌促進や食欲亢進作用に加え、体重増加、脂肪生成促進、糖代謝への関与、消化管運動調節、サイトカイン産生などの生理作用を示すことが確認されています。

 

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