ピロリ菌の除菌治療を受けた年齢が高くなるほど、胃がんの発症を予防できる効果は低下していくことがわかっています。20代~30代までに除菌すれば男女ともほぼ100%胃がんが抑制でき、40代で90%、50代で80%、60代から70代でも30~60%の抑制効果があります。一度除菌すれば再感染することはほぼありません。中学生にピロリ菌検査を実施する自治体がでています。その検査や除菌について、中学生のうちに行った方が良いという意見と、大人になってからの方がいい、という意見と、真っ二つに分かれています。
★反対派の意見
1・「40歳までであれば大丈夫」という意見です。現在の胃がんリスク健診の対象年齢は40歳以上です。先月8日、日本小児栄養消化器肝臓学会が、症状のない15歳以下の子どもに胃がん予防のためのヘリコバクター・ピロリ菌の検査や除菌をしないように提案する指針を公表しました。指針では、ピロリ菌の除菌は、成人では胃がんのリスクを低下させるが、「小児ではリスクを低下させる科学的根拠はない」と指摘しています。「小児期に除菌を始める妥当性はない」という意見です。
2・「小児は保険適用ではない」という意見です。除菌治療は、小児に対しては保険適用がありません。このため、反対派は、保険適用がないということは、安全性が認められていないということで、現段階では重篤な副作用の報告はないものの、今後もそうとは限らない、という意見です。
3・反対派の日本小児栄養消化器肝臓学会は症状がない子どもへの検査と除菌は、欧米の指針で推奨されていないことなどから「中学生を含む小児に一律に検査と除菌を行うことは推奨できない」という指針を示しました。
★賛成派の意見
1・「40歳まででは遅い」という意見です。胃がんリスク健診の対象年齢は40歳以上で、検査してピロリ菌がいれば除菌します。一方で、ピロリ菌感染は5歳までに起こり、5歳までに感染して、そこから胃炎が持続してがんをつくるので、40歳以上の人のピロリ菌を除菌しても、胃がんの可能性は減るものの完全にゼロにはなりません。日本でのピロリ菌感染は、親からの経口感染がほとんどです。しかし、除菌の対象年齢が40歳以上なので、対象者にすでに子供がいる場合、それまでに感染している可能性があります。40歳よりも若い段階で除菌ができれば、子供への経口感染も防げるし、除菌後胃がんの可能性も減らすことができる、という意見です。
2・「保険適用」について、賛成派からは「保険適用ではないものの、一部の自治体は中学生の検査や除菌の補助を行っていて、広がっている」という意見があります。また中学生のうちに受けさせるべきだという意見があります。高校生になった場合、高校は親元を離れたり、市町村を越えて通学したり、そもそも高校に入らなかったりということがあり、義務教育のうちに、という意見です。(TBS話題のアンテナ)