「訪問看護師になるには、病院の臨床経験が3~5年は必要」という考えが根強くある中、少数ながら新卒看護師を訪問看護師として育てる試みが各地で始まっています。団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年を前に在宅ケアの需要増が予想されるからです。大学の実習で訪問看護に魅力を感じ、新卒で飛び込む人も出てきました。新卒者は意欲があって,高い吸収力や成長力を備えています。多様な世代がそろえば組織は安定します。新卒の育成には看護協会、県など関係機関の協力が重要です。
 国は、患者の療養の場が「病院」から「地域」へ移行するよう促しており、2025年に向け訪問看護サービスをさらに拡大したい考えです。だが、看護職員のうち病院・診療所で働く人が8割を占め、訪問看護は2%にとどまっています。学生が希望しても『まずは病院で』と反対する教員が、いまだに多くいます。それでも、新卒の訪問看護師を受け入れる事業所は少しずつ増えています。病院と在宅では求められるケアが異なります。新卒から訪問に取り組むことで、生活支援のプロとしての力を持つ人材の育成ができます。新卒から育てるには適切な指導者が不可欠です。全国新卒訪問看護師の会が結成されました。新卒同士が交流し、学び合うことでキャリアを広げてほしいと思っています。