高齢者に対する適切な薬物治療の実践を医師と薬剤師らが共同で研究する場として、日本老年薬学会が発足しました。
 高齢者の薬物治療で解決すべき課題は幾つもあります。その中で今、最も注目されているのがポリファーマシー(多剤処方)の問題です。社会の高齢化による医療費の増大、残薬の問題などから最近さらに取り上げられるようになってきています。
 ポリファーマシー解消の方法は、基本的には重複処方や患者にとって効果がない薬を処方から削ることです。内科の患者が、頭が痛ければ脳神経外科、喉が痛ければ耳鼻咽喉科、膝が痛ければ整形外科など異なる病院・診療所の診療科を受診します。その結果、胃薬や解熱鎮痛薬などが処方され、重複投与になってしまいます。医師がポリファーマシー解消に取り組もうとしても、患者本人から「薬を減らさないでください」と言われる場合が多くあります。
精神科では診療報酬で、多剤処方は認められなくなりました。日本の精神科医療は収容主義から、患者が地域のなかで元気に過ごすことを応援するように意識が変わってきています。また薬剤料が包括されるDPC病院では減薬に積極的です。診療所の認知症地域包括加算も、5種類以上の薬が出ていると認められません。これからはウイルスが原因である風邪引きに漫然と抗生物質を出すことも認められなくなります。