常染色体優性多発性嚢胞腎は、遺伝子がかかわる病気で、主に腎臓に、嚢胞が沢山できてしまう病気です。この嚢胞は、年齢とともに段々と数が増え、大きさが大きくなると、腎臓の機能を悪くします。この病気の患者さんのうち約半数の方が、70歳になるまでに腎臓の機能が悪くなり、透析や腎移植などの腎代替療法が必要になります。
原因となる遺伝子は、PKD1もしくはPKD2という遺伝子です。この遺伝子の一部が壊れていたり、欠けたりしていることが原因で症状が生じます。85%がPKD1に、残りの15%がPKD2に異常があるといわれています。今まで治療薬はありませんでしたが、バソプレッシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタン(サムスカ、大塚製薬)が、多発性嚢胞腎の嚢胞の増大や腎機能の低下を抑える効果があることが分かりました。日本を含む世界15か国で治験が行われ、その結果を受けて、2014年3月末に、日本国内において、多発性嚢胞腎の治療薬として認可されました。多発性嚢胞腎に対する初めての治療薬です。しかしこの薬は、すべての多発性嚢胞腎の患者さんに適応があるわけではありません。
腎臓の体積が750ml以上、かつ1年間の腎容積増大率が5%以上の患者さんが適応です。また、クレアチニンクリアランスが60ml/min未満の患者さんでは、安全性は確認されていません。これらは、画像検査(CTやMRI)による腎体積の測定と、血液検査の結果から判断されます。副作用は、脱水による高ナトリウム血症や、肝機能障害などです。これらの副作用を見逃さないために、月に一回の血液検査を行います。この薬は、処方する資格を持った医師のみが処方できます。初めて内服を始めるときには、入院が必要です。
(高岡市、富山市のブログランキングに参加しています。 クリックをお願いします。)