かつて乳がんになった女性は、手術で乳房を失うのが常でした。それに異を唱えたのが慶応義塾大学放射線科の近藤誠講師でした。乳房を残す治療でも効果は同じという海外の報告を基に、いち早く温存療法を実践し、従来の手術法を糾弾する論文を書いた業績は評価されます。
しかし外科医たちの怒りを買って、教授から他病院への転出を求められたのではなく、「がん検診百害あって一利なし」を文藝春秋に書いた時に大問題になったのです。がん検診にまじめに取り組んでいる医師たちが怒り、慶応義塾大病院の立場が無くなりました。近藤医師は辞職を拒絶して発言を続けたため、責任をとって教授が辞めました。わたしはパートの病院でがん検診の読影をしていましたが、どの程度のがんが見つかっているのかよくわからず、その後調査して発表しました。
その後に出た著書「患者よ、がんと闘うな」は、さらに大きな論争を巻き起こしました。「がんの9割は、抗がん剤では治らない」「手術しなくて済む場合でも、大勢が手術されている」、がん治療の「常識」を疑問視した主張は医学界の反発を招く一方、医療のあり方に一石を投じました。
昨年発売された「医者に殺されない47の心得」という、恐ろしい題名の本は100万を突破し驚かされました。多くの場合、原稿が出来ると本の題名は、出版社が決めます。
近藤誠医師は3月末で、大学を定年退職します。既に渋谷でセカンドオピニオン外来を開設しています。これからは慶応の肩書きを捨てて、自由な立場で反骨精神を、発揮していってほしいものです。慶応大学としては、近藤医師はかなり迷惑な存在だったと思います。
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