本日の20時前に無事に自宅へ帰宅することができました。
宮城県石巻で観測史上最大の地震を自分は体験しました。
現地では苦しんでる方々が大勢いらっしゃいます。
ちょっとでも今回の出来事を身近に感じてもらいたく、他人事にしてほしくないので自分が経験したことや感じたことを書き込みます。
もしかしたら知らないほうが良かったと思われることも書いてしまうかもしれませんが、なるべく事細かに書きます。
3月10日:21時半。
石巻のホテルへチェックイン。
11日:11時起床。
12時集合、ホテルを出発。
会場の石巻総合体育館に到着するも作業開始まで45分あったから、体育館から少し離れたガソリンスタンドでトラックの燃料を満タンにする。
これが後々の出来事に対し大正解の選択となる。
燃料を満タンにしても時間があったのでコンビニやドックストアで時間を潰す。
この日からホテルで10泊する予定だったので、ドラックストアでお茶、コーラ、チョコを買いだめ。
この行動も後々役に立つ。
13時。
リングを設営スタート。14時半前にはリング完成。
のんびり休憩をしていて296氏、ボンバー斉藤レフェリーと「弁当まだかな?」と馬鹿話をしていると…
14時46分。
体育館が揺れ始める。
最初は震度3くらい!?と焦らず座り込んでいたら、ドンドン揺れは激しくなっていきました。
そのうち誰かの「危ないから外に出て!!」の叫び声が聞こえ、外に出た瞬間、揺れは最高状態に!!!
立ってるのがやっとだったけど、離れた場所で黒木さんが座り込んでいたから心配だったし、合流するまでの場所にある旗をあげる高さ5~6メートルの3本のポールが倒れてこないか不安だったけど何とか黒木さんの場所まで移動に成功。
合流し黒木さんが「この揺れ方は尋常じゃない」と言ってると、電信柱は倒れそうになるし電線は信じられないくらい上下に動いてました。トラックはサイドブレーキを引いていたにも拘らず今にも動き出しそうなくらい前後に動き、地面には見る見るうちに亀裂が入りました。
3分ほど揺れていたでしょうか?やっと揺れが止まり皆で集まって「凄かったな」と話していると体育館のガラスが割れてるのに気がつき、心配になり体育館の中を確認しに行くと、天井から大きな10キロ強の水銀灯が2個も落下してました。更には20キロ以上はある天井の骨組みも落ちていたのです。
壁のコンクリートは崩れ、館内のガラスもいたる箇所で割れてるのを確認しました。
特に天井から客席の位置に落下した骨組み、水銀灯を見てゾッとします。
これが試合中だったらどうなっていたか?
確実に観客の方にあたり10数人が最悪の結果になっていたでしょう。
そうこうしていると、体育館のスタッフさんから「ここが避難所になり、今から沢山の方が来るのを予想されます。」と聞き大急ぎでリング、イスを撤去することに。
撤去中も余震は続き、正直かなりの恐怖に襲われながらの作業でした。
撤去作業終了後、選手は石巻まで数十キロの位置で待機している情報が入ってきたので黒木親方と今後について話をしてました。
この時点では他の土地でも大きい地震があったくらいの情報しかなく、肝心の石巻の情報は入ってなかったので営業の高橋さんは「試合はできないだろうけど次の大会地の弘前に向かいます」と言い、自分は「とりあえずここを移動して、選手がいるとこまで移動して仙台へ向かいましょう。」と言ってたら地元の方から「街は津波に飲み込まれ、水没し今現在人が埋まるくらいの高さの水があり、石巻を出る橋は1本も通行できません。仙台を含め宮城県は大変な状況になってます。」と聞き、ここで初めてこの地震の被害の凄さを感じました。
慌ててトラックのカーナビをニュース中継に変えると…。
信じられないし信じたくない光景が目に入ってきたのです。
下手に動くと危険なので、全日本プロレススタッフは石巻市総合体育館で待機することに。
徐々に体育館に集まる地元の方々。その数が多くなればなるほど不安な気持ちも大きくなりました…。
17時頃。
人が集まり始めトイレに行ったら、トイレまで数メートルの地点で異臭を感じる。
何?と思いトイレに入ると、謎はすぐに解けました。
地震が起きた時点で電気・ガス・水道が止まったのです。
そうトイレを使用しても流せないのです。結果男性トイレの小便器はまだ我慢できますが、大便器の方はかなり不衛生な状態になります。大便をしても流せないから、次の人は前の人の便の上にまた便をするのです。
その異臭でした。ただこればかりは人間の自然現象なので責められないし仕方がありません。
自分はこのトイレの現実を知った時、今後に最大の不安を抱き、なるべく固形物は口にしないようにしました。
そしてトイレから戻ると、東北大会は開催できない情報が入り、黒木親方は「これはしばらく石巻を出られないかもしれないな?」と一言。
ここで覚悟を決め考えを切り替えました。生き延びようと…
続きます。