「アビゲイル」
“ABIGAIL”(2024/アメリカ/東宝東和)
監督:マット・ベティネッリ=オルピン
脚本:スティーヴン・シールズ ガイ・ビューシック
メリッサ・パレラ ダン・スティーヴンス マシュー・グード
キャスリン・ニュートン ウィル・キャトレット
ケヴィン・デュランド アリーシャ・ウィアー
おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★★☆☆
予告編で豪快にネタバレしているB級ホラー映画をあえて鑑賞。
そもそも作品のキービジュアルにも「誘拐した少女は、ヴァンパイアだった…」とあるわけで…。
そうなるとそのシチュエーションをどう見せるか、どう楽しませるか、どう驚かせるか、なんだろうけど、これが案外肩透かしだった。
むしろ血みどろシーン満載なのに笑ってしまうというか、ストーリーの背景にあるものも実は分かりにくいので、なんだか知らないうちに終わっていたという印象。
それなりにグロいですけど怖くないですよ、どちらかというと怖さよりも胸糞が悪くなるような作品かな。
吸血鬼とヴァンパイアの違いとでもいうか、自分が子供の頃にたくさんテレビで観た吸血鬼ドラキュラの恐怖は、その黒いマントをまとったようなビジュアルと闇に紛れて襲われるという不気味さも相まって、間違いなくホラー映画の一時代を築いた。
特に有名なクリストファー・リーのドラキュラ伯爵は今思い出しても怖かった。
その後ノスフェラトゥへの回帰を経て、吸血鬼はドラキュラからバンパイアとなり、コメディからSFまで多ジャンルの作品が作られ続けた。
さらにはアクション系の「アンダーワールド」シリーズやロマンス系の「トワイライト」シリーズまで、吸血鬼というよりもヴァンパイアであることの悲哀を描くものもあった。
日本でも金子修介監督の「咬みつきたい」で緒形拳が吸血鬼を演じたりした。
個人的にはカトリーヌ・ドヌーヴとデヴィッド・ボウイが共演した「ハンガー」は印象に残っている…確かシネマスクエアとうきゅうで観たはず。
しかし近年は「ウォーキング・デッド」シリーズのヒットからゾンビに浸食され、吸血鬼やヴァンパイアというと古典的なイメージが強くなってしまう。
そんないまヴァンパイア映画を撮るとなるとある意味ネタも尽きているわけで、今回のような変化球で仕掛けてくるしかないのだろう。
怪人ドラキュラの怪奇に対してヴァンパイアのイメージというとモンスターになるのだろう。
今回登場するヴァンパイアの少女アビゲイルはめちゃくちゃ強い。
もはや血を吸うだけは物足りず相手を食いちぎり、さらに大人たちに真正面から襲いかかる。
アビゲイルはバレエダンサーなので、時にはくるくる回りながら、時には華麗なステップを踏みながら襲いかかるのだけれど、これがちょっと違和感というか、無理くり感があって少し興ざめする。
同じ少女の姿でも「M3GAN/ミーガン」のような怖さは皆無。
そもそもアビゲイルを演じた子役がいまいち可愛くないのも致命的か。
もう少し可憐なイメージをもっていたら別の怖さが出てくるのだろうと思う。
いずれにしてもかなりエグい映像満載なのも確かなので、そういうのが最初から苦手な人にはお勧めはしません。