「首」 | MCNP-media cross network premium/RENSA

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「首」(2023/東宝=KADOKAWA)

 

 監督:北野武

 原作:北野武

 脚本:北野武

 

 ビートたけし 西島秀俊 加瀬亮 中村獅童 木村祐一

 遠藤憲一 勝村政信 寺島進 桐谷健太 小林薫 岸部一徳

 
 おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★☆☆☆
 

 
ちょうど大河ドラマ「どうする家康」が終盤のクライマックスに向けて、関ケ原から大坂の陣へと一気に加速を始めたタイミングでこの「首」が公開された。
 
偶然なのか予定通りなのかはわからないけれど、大河ドラマで観ていたキャラクター像がある程度刷り込まれていることもあって、スクリーン上の武将たちとの置き換えに難儀した。
 
そもそも役者として秀吉を演じるビートたけしが最高齢76歳、その主君となる織田信長を演じる加瀬亮が49歳、本能寺の変を起こす明智光秀を演じる西島秀俊が52歳、徳川家康を演じる小林薫が72歳…そりゃあ混乱する。
 
それぞれは歴史的に名のある武将なので誰が演じても問題ないと言えばそうなのだけれど、これだけ直近に別のキャストで観た後なので何ともという感じ。
 
物語のベースは本能寺の変に至る各武将の立ち位置や駆け引きで、明智光秀と先に信長に反旗を上げた荒木村重との関係性がBLさながらに描かれる。
 
また秀吉に憧れて百姓からの武功を望む難波中村獅童演じる難波茂助なる架空の登場人物が軍勢に加わる。
 
一方でその先の天下をにらむ秀吉の思惑も交錯して…といいたいところだけれど、こちらは黒田官兵衛と羽柴秀長が加わってまるでコントのようなやり取りに終始する。
 
北野武監督作品としては6年振りだというが、そもそもそれ以前の「アウトレイジ」シリーズは完全にスルーしているので、よく考えたらちゃんと作品をスクリーンで観たのは「座頭市」以来だから20年振りらしい。
 
タイトルの「首」そのものずばりのラストシーンは実に北野武らしいなと思った。
 
本人はまだまだ撮る気満々なのだろうが、どの作品も同じような傾向が続くのであれば、今後もあまり積極的には観ないかもしれないな。
 
 ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン6