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「NOPE/ノープ」

 “NOPE”(2022/アメリカ/東宝東和)

 

 監督:ジョーダン・ピール

 脚本:ジョーダン・ピール

 

 ダニエル・カルーヤ キキ・パーマー スティーヴン・ユアン

 マイケル・ウィンコット キース・デヴィッド

 

 おすすめ度…★★☆☆☆ 満足度…★★★★☆

 

 
話題のジョーダン・ピールの最新作。
とはいえ、名前は知っているものの、果たして彼の作品を観たことがあるのか?「アス」とか「ゲット・アウト」とか、気になってCS放送とかで録画したけどたぶんそのまま。
 
地元のシネコンでは昨今アニメーション作品が半分のスクリーンを占めることも多い中、けっこうレアな外国映画をラインナップしてくるのだけれど、気づいたときにはレイトショーやモーニングショーのみになっていることがほとんど。
 
今回はこの「NOPE/ノープ」と「Zola ゾラ」がラインナップされていて、どっちも気になる中で最終的にキメ手になったのは「NOPE/ノープ」のキャストにスティーヴン・ユアンの名前があったこと。
 
「ウォーキング・デッド」シリーズの初期のキーパーソンの一人グレンを演じていたこの韓国系アメリカ人俳優の印象が強く残っていて、アカデミー賞で話題になった「ミナリ」も迷っていたけれど彼の出演を知って観に行った。
 
ロスアンゼルス郊外で牧場を経営するヘイウッド家はハリウッドやテレビに出演する馬の調教を生業としている。
父親が空からの落下物にあたって急死したため経営を引き継いだ息子のOJは内気な性格、撮影スタジオへ愛馬のラッキーを持ち込んでも口下手でうまくいかない。
 
そこへ遅れて到着した妹のエメラルドは逆に口八丁手八丁でその場を収め撮影が始まりますが、撮影スタッフの一方的な進行でラッキーが暴れてチャンスを逃します。
 
二人は西部劇のテーマパークを経営するジュピター・クレイムに立ち寄りますが、このパークのオーナーであるジュープを演じるのが先のスティーヴン・ユアン。
 
ジュープはかつて子役として活躍していましたが「ゴーディ家に帰る」という人気番組の中で、出演していたチンパンジーが突如狂暴化し子役の少女を襲うという惨劇が飽きていました。
この時の映像がオープニングにも使われていてその後のキーワードにもなっています。
 
ある夜、牧場の管理馬であるゴーストがいきなり逃げ出してしまいます。
ゴーストを探しに出たOJは、ジュピター・クレイムで行われている未知との遭遇体験イベントの様子を遠目に観た直後、UFOのような物体を上空で目撃します。
そしてエメラルドのいる牧場では謎の停電も発生しており…。
 
このOJとエメラルドの兄妹が、UFOを撮影して一儲けしようと考えるあたりから物語が動き出します。
 
そしてOJは父親の死の原因となった謎の落下物をもたらした原因について調査を始めるのですが、そこまでがやや退屈というか、登場人物も少ないので淡々と進んでいくのがややもどかしい。
 
それでも先のゴーストの事件の前に「ゴースト」のタイトルが刻印され、その先も場面ごとにタイトルがクレジットされるので、次第に不気味な何かが起きていることを観客も実感していきます。
 
その後の展開はあっと驚くという部分もあり、UFOものと思いきやそう来たかという映像もあったりするので、ネタバレ回避がいいでしょう。
 
予告編で強調される空からの落下物に関しては伏線ではありますが、実はあまり事件の本質とは関係ありません。
 
西部劇を思わせる荒涼とした大地に踊る棒状や人型のバルーンがスカイダンサーというのだということも初めて知りました。
 
キャストも含めてB級作品ではあると思いますが、途中から先が読めなくなるトンデモ映画なのは間違いないので、これは自身の目で確かめるのが正解でしょう。
 
確かにジョーダン・ピールという名前は今後も注目しなくてはならないようです。
 
 MOVIX伊勢崎 シアター10