「ショーシャンクの空に」 ※4Kデジタルリマスター版
“THE SHAWSHANK REDEMPTION”
(1994/アメリカ/カルチャヴィル)
監督:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
脚本:フランク・ダラボン
ティム・ロビンス モーガン・フリーマン ボブ・ガントン
ウィリアム・サドラー ジェームズ・ホイットモア
おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★★
名作「ショーシャンクの空に」を観ていないで映画ファンといえるのか?
しょうがないのよ、40年以上映画館で映画を観ているけれど、タイミングっていうのがあってね。
「ショーシャンクの空に」の日本公開は1995年6月3日なので27年前。
その間にもテレビやCS放送などでも観る機会はあったと思うし、「午前十時の映画祭」のシリーズでも何度かラインナップに上がっていたはず。
でも、観ていないんだな、基本映画はスクリーンでというこだわりがあるのもひとつだし、やはり2時間半近い尺だとなかなかテレビで集中するのも難しい。
気づいたら25年以上経っていました。
今回はCulture-Villeの4Kデジタルリマスター版リバイバル上映。
たまたま地元のミニシアター系映画館で上映ということで、ついにスクリーンで「ショーシャンクの空に」体験が実現。
もっとも昔からの映画館なので当然4K上映ではありません。
当初はシネコンで新作でも観るつもりだったのだけれど、午前中の通院が早めに済んで、上映時間になんとか間に合いそうだと切り替えての鑑賞。
ちょっとここのところの猛暑で寝不足気味だったから長尺は不安でありましたが、文字通り案ずることなかれでした。
映画の本編についてはたくさんのレビューがあるし、いまさらあーだこーだ振り返るのもアレなんで、あえて解説はしませんが、なるほど、これは確かに名作です。
多くの方が20世紀のベストワンとかに選んでいるのもわかりますね。
143分の上映時間ずっとスクリーンにのめり込んで、まるで主人公の追体験と同化するような感覚さえ覚えます。
それでいて肩に力が入るわけでもなく、観終わった後にぐったりするような重さもなく、静かにエンドロールの余韻に浸っていました。
モーガン・フリーマン演じるレッドのモノローグで語られる演出もよかったし、ティム・ロビンス演じるアンディの運命にも不思議と悲壮感がなく、まあその意味はエンディングに向かって明らかになっていくわけですが、そのカタルシスの解放感たるや、もうお見事!のひと言。
その流れであの素晴らしいラストシーンへと繋がっているのだけれど、一部サスペンス風の緊張感もはらみつつ、その中でも観客の中の「希望」はいつしか「確信」に変わっていったのではないかなと思います。
この作品を観ながらいくつかのスクリーン上の既視感があって、例えば「アルカトラズからの脱出」、例えば「サンダーボルト」、例えば直近の「クライ・マッチョ」…イーストウッドばかりだ…あるいは「ゲッタウェイ」もちろんマックイーン版、きっと昔からの洋画ファンならわかってもらえるんじゃないかな?
監督のフランク・ダラボンはこの作品の成功で名を上げ、同じスティーヴン・キング原作の「グリーンマイル」を経て、あの「ウォーキング・デッド」のファースト・シーズンを手掛けるわけだけれど、その後のシリーズには企画だけのクレジットとなっていて、そろそろ新作映画を期待したいところ。
いずれにしてもこういう未見の名作をスクリーンで観る機会がまたくるといい。
前橋シネマハウス シアター0