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「劇場版 ラジエーションハウス」(2022/東宝)

 

 監督:鈴木雅之

 原作:横幕智裕 モリタイシ

 脚本:大北はるか

 

 窪田正孝 本田翼 広瀬アリス 浜野謙太 丸山智己

 矢野聖人 鈴木伸之 佐戸井けん太 山口紗弥加 遠藤憲一

 山崎育三郎 八嶋智人 高嶋政宏 浅野和之 和久井映見

 

 おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★☆☆

 

 
どんなにヒットした作品であろうとタイトルに<劇場版>とあえて冠する作品は厳密には<映画>ではないというのが持論です。
 
では、そうした作品は何なのか?
劇場(映画館やシネコン)で上映される「テレビドラマの劇場公開版」あるいは「アニメーション作品の劇場公開版」にすぎないと思っています。
だったら例えどんな作品でも<映画>と冠するのが潔い。
 
<映画>じゃなくて<劇場版>です。
そういう逃げ道を最初から用意しているような気がして、いまだにこの<劇場版>とタイトルをつける作品は一歩引いて観てしまう。
 
もちろんその是非を問うつもりもないので、あくまでも長年スクリーンで映画を観続けてきたこだわりだと割り切っています。
 
「劇場版 ラジエーションハウス」です。
 
多くのレビュアーが指摘しているように、テレビドラマ2本分もしくはテレビドラマの2時間スペシャル以外の何ものでもありません。
 
ただ自分がずっと好きで観ていたドラマシリーズなので納得しています。
 
これ、さらに続編作る気があるのかな?
あのエンディングはやっぱり完結編でいいのかな?
 
登場人物はすべてドラマ版のキャラクターそのままです。
劇場版なのでそれでいいと思います。
 
予告編では「謎の感染症」という今どきのキーワードで、一種のパンデミックもののような前振りがありますが、それ以上でもそれ以下でもありません。
 
ダスティン・ホフマンの「アウトブレイク」は1995年の公開だったんですね。
今や現実のパンデミックを経験しているわけで、ドラマの中ならともかく映画作品としてはこれ以上踏む込めないテーマだと思います。
 
本田翼は相変わらずかわいいですが、残念ながらいまだに医師には見えません。
棒演技云々はおいておいて、作品の中のリアリティがそこで薄まっちゃう。
 
もったいないなー。
ばっさーの魅力を活かす役どころって結構狭いので難しいですね。
 
ドラマに引き続いて広瀬アリス演じる若手放射線技師の成長と葛藤がストーリーの肝にもなっているわけですが、何しろそのストーリーが先が読めちゃうくらい薄いので、こちらももったいない。
 
そして今回も全編にわたって鈴木雅之節炸裂の演出。
いやーここまで徹底するともはや安定感すら感じます。
 
ドラマシリーズのファンであるとか、出演者が好きだとか、そういうアプローチで観る分には、ある意味で期待通りの展開なのでまずまずでしょうか。
 
ドラマシリーズを観ていたかどうかはわかりませんが、若い観客から笑い声も出ていたので、カップルでぶらりとかのデート映画にはもってこいかもしれません。
 
山崎育三郎は不死身みたいです。
そういえば…例の葬儀はどうなったんでしょう?
 
 ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン3