「ジオストーム」
“GEOSTORM”(2017/アメリカ=ワーナー)
監督:ディーン・デヴリン
脚本:ディーン・デヴリン ポール・ギヨ
ジェラルド・バトラー ジム・スタージェス アビー・コーニッシュ
アレクサンドラ・マリア・ララ エド・ハリス アンディ・ガルシア
おすすめ度…★★★☆☆ 満足度…★★★★☆
かなり前からインパクトのある予告編を大量に見ていて、こりゃ久々のトンデモ映画の登場か?と眉唾で構えてました。
70年代のハリウッドの本格パニック映画大作をリアルタイムで観てきたこともあって、予告編でこれでもかと見せられた突っ込みどころ満載の天候異常による災害と「ハリウッドが送るアクション超大作」とかいうフレーズに逆に引っ掛かりを覚えてしまうわけです。
また「アルマゲドン」や「デイ・アフター・トゥモロー」に代表されるSFディザスタームービーは一連のパニック映画とはちょっと違うという感覚も当時から持っていて、近年のこの手のハリウッド製のディザスタームービーはあまりワクワクしないのが正直なところ。
で、「ジオストーム」です。
タイトルから察するに「ツイスター」や「ボルケーノ」あるいjは70年代の「大地震」のような自然災害によるディザスタームービーかと思いますが、予告編で先に巨大な陰謀による人災だということが明示されているので、最初からSFエンターテインメント映画でいいんだろうなということは分かります。
実際観てみたら意外にもドラマ部分の方の比重が高めな作品でしたね。
定番の兄弟愛や親子愛がほどよいテイストになっていますが、基本トラブルに見舞われた気象コントロール衛星に乗り込んで行ったシステム開発者が右往左往するだけなんですが、どこかで観たようなシーンが満載で逆に安心するというか、エイリアンが乗り込んでいるわけでもないのでハラハラドキドキというのにはやや物足りない。
観客は陰謀の黒幕が誰かを推理しながら楽しむわけですが、あまり伏線らしいものはないので混乱はしないというか、唐突に色々な陰謀が暴かれるのでむしろキョトンとなりそうです。
主人公ジェイクを演じるジェラルド・バトラーはこんな無骨なタイプだったっけ?と思うほどヒーロー然としていないので感情移入はしにくいかな。
地球で奮闘する弟のマックスのジム・スタージェスも政府の高官のわりには貫禄不足。
全体的に男性陣がしょぼい感じなので、マックスの恋人でSPのサラの奮闘ぶりがなかなか痛快です。
彼女を主人公にした映画が観たいくらい。
久々のエド・ハリスもなんでこんな役受けたのかなと思うくらいの残念さ。
大統領役のアンディ・ガルシアに至っては最後まで違和感ありまくりでむしろ笑ってしまいます。
ディザスタームービーとしてではなくSFアクションと割り切ってみれば、最後まで飽きずに観られるし、気象コントロールシステムの難しい理論とかは放置のままなので、頭を使わず楽しんだもの勝ちかもしれません。
ちなみに世界各地を襲う災害は予告編レベル以上のものはありませんので、映像で過度な期待はしない方が賢明かと。
ジェイクの娘を演じた美少女、この先ブレイクするかもしれませんね。
MOVIX伊勢崎 シアター5