吹き替え版の上映でヒロインの声を演じたのが土屋太鳳じゃなかったら絶対観に行かなかっただろうな。
というより、土屋太鳳をキャスティングできたからこのタイミングで日本公開されたんだろうけど。
個人的にはヒロインのフェリシーのビジュアルが普段から応援しているAKB48の岡田奈々に似てるからってのもあるかな。
パッと見はショートヘアに見えるフェリシーのビジュアルはそのまんま岡田奈々に見えちゃって仕方なかった。
似てる??
…よね?
ま、いっか。
フランス製のアニメ映画観るのって初めて、かな?
といっても製作が「最強のふたり」のスタッフというだけで、アニメーションはディズニーやドリームワークスと組んできた人らしい。
そもそもCGアニメはディズニーやピクサーの一連の作品で極めちゃってるから、こうしてCGアニメとして提供されても実際厳しいかなとは思う。
そもそもバレエという素材をCGアニメで描くっていうのもどうだったんだろう?
この作品が致命的なのはキャラクターの背景というかもろもろの描きこみが浅くて、その一方でフェリシーの行動がすべて肯定的に描かれてしまって、観ている方が感情移入したくなる存在ではないところ。
その意味では真っ直ぐでストイックな土屋太鳳の声は合っていたのかな。
それでもストーリーはほぼ予想通りに淡々と進むのでさらっと観おわってしまう。
だったらもう少しミュージカルっぽい作品にしてもよかった気もする。
エンドロールでオリジナル版のヒロインの声がエル・ファニングだと知ってそっちが観たかったなと思ってしまった。けして土屋太鳳がダメということではないけれど。
また黒木瞳が演じたオデットの声がオリジナルではカーリー・レイ・ジェプセン、ちょっとキャスティングの年齢差が大きすぎだよね、黒木瞳は最後まで黒木瞳だったし。
そういえばパリのオペラ座の音楽学院を舞台にしているわけですが、さすがにフェリシーみたいな方法で紛れ込むことは不可能だよな。
もっと下積みを積んでっていうのならまだ納得できるけれど、フェリシーがそこまでの天才であるという説得力が見えてこないとただのわがまま娘にしか見えません。
人気若手女優が必ず一度は通るアニメ作品の声優ですが、さすがに日本語吹き替え版でのチャレンジは評価が厳しくなりますよね。
声優としてはけして失敗ではないと思うけれど、大島優子が「メリダとおそろしの森」で叩かれたり、どうしてもイメージとのギャップばかりが注目されて、声優としての仕事を見てもらえないのは残念。
もっとも土屋太鳳の場合、声のキャラが突出しちゃうからあまり向いてないかな。