「黄金を抱いて翔べ」
エーベックスによるエーベックスのための映画…そんな感じ。
今回も最初のクレジットがavexのロゴだったのである程度覚悟はした。
東方神起で集客狙い、安室奈美恵のエンディングのテーマ曲で話題作り。
井筒さんも映画撮れれば何でもよくなっちゃったんだね、もったいない。
普段から辛口で知られる人だけれど、こういう作品を発表しちゃうといろいろ言われそうだね。
原作は文庫化すぐに読んだからもう10年近く前?なのでほとんどストーリーの記憶はなし。
それでもめちゃくちゃ面白かったことだけは何となく覚えている。
映画化に際して原作のエピソードをかなり挿入していたみたいだけれど、そもそも時代設定が原作と違っていたり、盗みに入るまでの準備が大雑把だったり、あれだけいろんな問題起こしたらとっくに逮捕されて終わりだなと思う。
しかも実行過程でも指紋あちこちベタベタなのもあり得ないだろうし、どう考えてもあれだけの金塊があんな簡単に奪えるわけない。
少なくともコンピューター制御でがっちり管理された場所に保管されているはずだし、最後にバールでっていうのはまずありえない。
確かに原作は昭和の時代だからわかるけど、映画ではスマホも出てくるから明らかに現在の日本社会が背景にあるので設定からしておかしい。
全体の構成を見るとアンチヒーローものを作りたかったのはわかる。
しかしそのためには主人公に魅力がないいけない。
リーダー格の浅野忠信は自分勝手なプランナーにしか見えないし、ストーリー上の主人公である妻夫木聡の過去についてもあまり描き込んでいないから感情移入しにくい。
ハリウッドのようにクライムストーリーをエンターテインメントとして昇華させちゃうとか、フランスのフィルムノワールみたいに人間ドラマをしっかり描くことで、いくらでも上質の作品になると思う。
とりあえず2時間超の作品を最後まで飽きずに観ることができたことは評価できるとして、ラストシーンも含めてあまりにも重く暗いトーンで終始したのが残念。
★★☆☆☆
2012.11.5 ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン3
