「僕達急行 A列車で行こう」 | MCNP-media cross network premium/RENSA

MCNP-media cross network premium/RENSA

音楽(Music)・映画(Cinema)・小説(Novel)・舞台(Play)…and...

出会いの連鎖-RENSA-を求めて。

メディアの旅人はあなたです。

「僕達急行 A列車で行こう」

 2012.3.30 ユナイテッドシネマ前橋 スクリーン8



エンドロールのクレジットのラストに<監督森田芳光>の文字に続いてその脇に「ありがとう」のひと言が加わった。

その瞬間、その「ありがとう」が映画ファンの思いではなくて、森田芳光の言葉としての「ありがとう」のように思えて、改めて日本映画界が失ったものの大きさを実感した。

久しぶりに森田芳光の遊び心いっぱいの役名が楽しい。

小町圭(秋田新幹線:こまち)・小玉健太(東海道新幹線:こだま)・大空ふらの(特急おおぞら)・谷川信二(上映津新幹線:たにがわ)・湯布文悟(特急ゆふいんの森)・天城勇智(特急あまぎ)・北斗みのり(特急北斗)・相馬あずさ(特急あずさ)・筑紫雅也(急行筑紫)日向みどり(特急ひゅうが)・アクティ(快速アクティ)…。

薬師丸ひろ子が主演した「メインテーマ」(1984)が真っ先に思い浮かんだ。

小笠原しぶき:薬師丸ひろ子・大東島健:野村宏伸・御前崎渡:財津一夫・御前崎由加:渡辺真知子…。

最近は「武士の家計簿」や「わたし出すわ」といったやや真面目な作品が続いていただけに、偶然の産物にしてもその遺作がこのような楽しい作品でよかったと思う。

他にも小町があずさとバーで語り合うシーンでマスターのシェイカーの振る音が二人の心象風景とリンクしていたり、いかにも森田芳光らしいささやかな幸福感でいっぱいの作品だった。

アラを探せばいくらでも出てくるのかもしれないけれど、なるようにしかならない人生を楽しもうとする二人の友情の描き方はさすがに森田芳光というところ。

こういう日本映画らしい笑いとペーソスに溢れた優しい映像を撮れる監督も少なくなったかもしれない…。

改めて…合掌。


★★★★☆