驚きのニュースでした。
東京の大好きな店、池ノ上の「ピエール」が今年の3月末で閉店していたとのこと!
「ピエール」といってもほとんどの方はピンと来ないかもしれませんが、かつて羽田空港の第一ターミナルに売店を出していたので、覚えている方もいるでしょう。
看板商品はこれ。
「ビアリッツ」というオリジナルのマカロン。
(写真が無かったのでHPよりお借りしました)
私も出張時にはよく買って帰っていましたが、ビアリッツは羽田に売店ができて初めて買ったものでした。
食べてみるとなるほどピエールらしい、少し武骨な作りながら優しさを感じるもので、表面はサックリ、中はしっとりとしています。
(以下4点の写真は手持ちのものです)
「ピエール」の本店は京王井の頭線の池ノ上駅すぐ近くにありますが、学生時代の友人が池ノ上に住んでいたので、その頃にこの店と出会ったのです。
最初にいただいたのは「タルト」。クランベリーなどイチゴ系のタルトがお気に入りでした。
大学卒業後はしばらくご無沙汰だったのですが、出張の行き帰りに羽田空港で再会。それで、しばらくぶりに店に行ったら「タルト」はほとんど見かけませんでした。
この間に店主が2代目となり、上記のビアリッツなどが前面に出てきたのかなって思ったものです。
その他では。。
シンプルな「シュークリーム」。
以前はフランス流の硬い皮でしたが、その後現在のふんわりタイプに変更されました。
自分的にはそのバランスの良さが気に入っています。
チョコレートがおいしいのも特徴で。。
ショコラや。。
「ルーレ・ショコラ」
小麦粉無しのチョコレートケーキです。
ともにオリジナルのクーベルチュールが良質で甘さも控えめな分、チョコの深みを感じさせる味わいが素晴らしい。
そしてピエールのスペシャリテといえばこれ!
「フルーツケーキ」です。
(これも手元に写真が残っていないので、かつての雑誌とHPからお借りしました)
このケーキ、只者ではなく、フルーツの熟成に4年、ケーキにしてさらに1年ほど寝かせてから出荷するという大変な手間と時間のかかった一品なのです。
店のHPでは「10年かけて…」との記載もあるので、仕込みのリキュール類なども独自に熟成させていたのかもしれません(想像です)。
これがとにかく “凄い” 一品で、購入後さらに自宅で熟成させて味わう常連客もいるとか。
味は一言でいえば “複雑”。「フルーツケーキ」という爽やかな印象とは真逆の “重厚・芳醇” な 味わいなのです。
その分ハマると “クセ” になるというか、何というか。上の写真のように1cmほどの厚さにカットし、ホイップクリームなどを添えていただくとその味わいたるや。。
そんな特別な商品ゆえ本店のみでの販売なので、わざわざ池ノ上まで買いに行ったものです。
お土産に使うこともありましたが、かなり(贈る)相手を選んでいましたね。
普通に食べると(味が複雑すぎてすぐには理解ができず)「何これ?」というのが多くの感想だったからです。
でも(上記の)常連客のような「通」な方も存在し、そんな方を選んでお贈りした時の評価は最高!のものでした。
しかしなんでまた閉店なのでしょう。
HPには「店舗・厨房機器の老朽化と後継者不在」となっていましたが、現店主は確かまだ50代前半のはず 。。
その中で「また何かの形で事業を再開、リニューアルできればと考えております」との一文もあるので、これに期待して待ち続けたいと思いました。
何しろこんな「フルーツケーキ」他にはありません。
無くしてしまうには、あまりにもったいない!からです。