楽天は、クレジットカード事業を再構築すると発表しました。

カード事業子会社「楽天KC」(福岡市)の「楽天カード事業」を会社分割により楽天クレジット(東京)に移管したうえで、楽天KCを金融業のJトラスト(大阪市)に譲渡するというものです。

これに伴い、楽天は楽天KCに対して保有する劣後ローンなどの債権130億円を放棄し、株式売却損などで2011年12月期連結決算に約1千億円の損失を計上するため、最終損益が赤字に転落する可能性があるとのことです。

保有する楽天KC株は、Jトラストに対し45億円で売却するとしています。

また、債権放棄対象を除く貸付債権370億円も同額で譲渡する予定で、一連の再編は8月1日付で実施します。

再編に伴って、楽天クレジットは「楽天カード」、楽天KCは「KCカード」に社名変更することになります。

これは、貸金業に対する規制強化など、クレジットカード事業を取り巻く環境が厳しくなっていることに対応したもので、今後も高い成長が見込まれる楽天カード事業にさらに経営資源を集中するためとしています。
経営破綻した消費者金融大手、武富士の支援スポンサーに韓国の同業大手、A&Pファイナンシャルが決まっています。

破綻原因となった契約者への過払い利息の返還から開放され、身軽になった武富士を買収し、そのブランド力を生かし日本市場に進出するのが狙いと言われていますが、経営トップも含めA&Pの実態はよく分かっていないのが実情です。

スポンサー選定をめぐっても、破綻の責任を負い経営から離れた創業者一族の武井家の意向が働いたとの指摘もあり、不透明な部分が多いのです。

「資金提供や事業の規模などから、スポンサーにふさわしいかどうかを判断した」

 武富士の管財人をつとめる小畑英一弁護士は、東京都新宿区の武富士本社で会見し、A&Pを選定した理由を説明しました。

 A&Pは最終入札で米投資ファンドのサーベラスや国内消費者金融のJトラストなど3社を退け、優先交渉権を獲得し、東京地裁の許可を受けて、4月27日にスポンサー契約を結びました。

 韓国では、「ラッシュ&キャッシュ」のブランド名で消費者金融業を展開。同社を中核とする金融グループの貸付残高は約2兆800億ウォン(約1560億円)に上り、韓国では最大の規模を誇るという。

 ただ、日本ではその実態はほとんど知られていません。

会見にも、経営トップは姿を見せず、プロフィルも不明のままです。

小畑氏は「40歳代の在日韓国人。武富士再建に情熱を持っている」とコメントしただけでした。


武富士買収の狙いは何なのか。

複数の企業がスポンサーに名乗りを上げたように、買収メリットは小さくありません。

 会社更生法の適用を申請したことで、過去に取りすぎていた利息の返還も、他の債権と同様に大幅にカットできることから、返還請求は約90万件、総額約1兆3800億円に上るものの、弁済率はわずか5%以下にとどまるとみられています。

 再建計画案では、武富士を消費者事業に専念する承継会社と、債権者への弁済を行う処理会社の2つに分割する方針で、利息返還はほとんどが免除されて、処理会社の資産の範囲内で支払われるため、スポンサーにはほとんど追加の資金負担は生じないのが特徴です。

 プロミスやアコムなどライバルは、武富士破綻を契機に利息返還請求が急増し、平成23年3月期決算で最終赤字となるなど苦境にあえぐのを尻目に、武富士の継承会社は、新規顧客の開拓など積極的に売って出ることができるようになるわけです。

 またライバルが店舗閉鎖などリストラに追われるなかで、武富士には約130店が残っているのも強みと言えるでしょう。

A&Pは韓国で有人店舗による対面販売で事業を拡大しており、日本でも十分にノウハウを生かせる)と、同業者は警戒を強めています。

 一方で、スポンサー選定をめぐっては、不透明さが指摘されています。

 最終入札に残ったJトラストの関係者は、「管財人に伝えた情報がすぐマスコミに漏れるなど、守秘義務が守られていなかった」と不満を漏らしました。

Jトラストを意図的に排除するような動きの背景には、格が下の同業者の傘下に入ることを嫌がった創業家の意向があると、業界関係者は解説しています。

 武富士は故武井保雄氏が一代で築き上げ、ワンマン経営から“武井商店”とも揶揄されたほどですが、破綻で創業家の持ち株はゼロとなり、次男の健晃氏が副社長から退き、縁は切れたはずでした。

しかし、今も社内に多く残る、保雄氏を信奉する役員や社員が、継承会社に残ることで、創業家の影響力が温存されるとの見方は多いのです。

 保雄氏の遺産相続をめぐり、元専務で長男の俊樹氏が追徴課税の取り消し訴訟に逆転勝訴したため、国から約2千億円もの還付を受けるなど、創業家には多くの資産があります。

利息返還を請求した債権者らは私財提供を求めており、創業家への批判は根強いものがあります。

 国内金融機関も破綻前から、不透明な経営体質を敬遠し、融資に慎重な姿勢を続けてきました。

創業家の影響力が残ったままでは、利用者や金融機関の信用を得るのは難しいのでは・・・。

 武富士再建は、A&Pが創業家をどこまで排除できるかがカギとなりそうだ。
消費者金融大手アイフルの過払い金返還に対する3月時点の引当金残高が、単体で約2100億円に達したことが分かりました。

昨年12月時点の1985億円から、115億円ほど増加しています。

9月の武富士破綻をきっかけに、過払い金を早めに取り戻そうとする顧客からの返還請求が急増したため、引当金を積み増したことが理由で、2月のアイフルへの請求件数は約1万6700件と、単月で過去最高を記録しました。

引当金は業績の圧迫要因となるため、アイフルは平成23年3月期の連結最終損益を320億円の赤字と、2期連続の最終赤字を見込んでいます。

他の同業大手2社も返還請求が増えており、3月時点でプロミス、アコムともに引当金残高は2千億円以上になるとみています。

このため、2社ともに3月期連結決算は最終赤字を予想していて、それぞれプロミスが960億円、アコムが2026億円の赤字を見込んでいます。

プロミスには三井住友銀行が、アコムには三菱UFJフィナンシャル・グループが出資していることから、両メガ銀行の業績への影響も懸念されています。