お次は、『猿之助十八番の内 金幣猿島郡』~市川亀治郎 宙乗り相勤め申し候~です。

こちらは、市川亀治郎丈の伯父市川猿之助丈が昭和39年に復活上演し、今回亀治郎丈が初役で務められ、しかも、宙乗りもありました。

あらすじ

清姫(市川亀治郎丈)は、かつて会った都人のことが忘れられず、恋焦がれるあまり盲目となってしまいます。母・如月尼(中村歌六丈)は娘の目が治るよう祈願しているが、一向に治る気配はありません。

そこへ北白川の安珍と名乗る男(市川染五郎丈)が如月尼の庵を訪ねてきます。実は、この男こそ文殊丸頼光であり、源氏方の人間。村雨丸(刀)を探すため、身をやつしていたのでした。

しかも、敵方、平将門の妹姫・七綾姫(中村梅枝丈)と恋仲ですが、七綾姫も源氏方から追われる身であり、如月尼の庵に匿われていました。如月尼ふくめ皆、平家方の人間だったのです。

しかし、敵方に見つかってしまい、七綾姫の首を差し出すよう命じられてしまいました。そんな中で、再会した頼光と七綾姫。
しかも七綾姫が持っていた懐剣こそ、頼光が探していた村雨丸でした。村雨丸を抜いたところ、そこらじゅうに雷鳴が響き渡ります。
すると、村雨丸の威光により清姫の目が見えるようになったのですが、そこにいたのは、これまで恋焦がれていた男と恋仲にある七綾姫の姿。

清姫は、七綾姫の身代わりとして差し出される事になっていたが、恋しい男を前に死ぬのは嫌だと懇願します。

しかし、そんなことは叶うはずもなく、「七綾姫のため」と命を奪われてしまいます。二人に嫉妬したまま落命した清姫は蛇となり、鐘に尾を巻きつけ執念を燃やします。

また、七綾姫に恋焦がれる藤原忠文(市川亀治郎丈)は、将門追討の命を受けていたにもかかわらず、七綾姫の「兄を見逃してくれたら色よい返事をします」という文に惑わされ、将門を逃してしまいます。

しかし、頼光のいる七綾姫にはそんな気持ちなど一切ない。
その姿を見た忠文も嫉妬に狂っていき、鬼と化していく。

はい、あらすじ長すぎですね。
でもこれでも半分なんです(笑)

とにかく、清姫と忠文の二役を演じる亀治郎の気合いが凄い。

最初の清姫(盲目の時)は本当に可愛いんです。
目が見えるようになった途端、「七綾姫の身代わりで死ぬのはイヤじゃ!!頼光と結ばれるのは私じゃ!」とかなり厚かましくなり(笑)

切ない場面のはずですが何故か大笑いです。亀治郎丈はコメディアンなんですねー。

忠文と清姫は全く別のキャラクターですが、振られたもの同士で合体してたたる!そして宙を舞う!!

それにしても…、二人の姫の間で頼光が揺れ動いちゃうんですよ。怨霊の清姫に、「不憫な・・・」って、まーだ同情したりして。
そんなお前が中途半端だから、清姫が怨霊になるんじゃねぇかぁ、そう思えば自業自得です(笑)

私のブログのアクセス数が増えたので
何かと思ったら、猿之助さん、再演ですね!この演目、一番好きなので、嬉しいですが、博多座でもぜひ。