こんにちは!
【バリアフリー造形教室みんなのアトリエ】主宰の白瀬綾乃です😃
ものすごく遅くなってしまいましたが、この夏に開催した講座・イベントの様子をご紹介していきます🌻
まずは7月3日・10日・17日の三週に渡って行われた特別支援学校での授業!
横浜市立東俣野特別支援学校の小学部の図工の授業に“非常勤講師”としてお邪魔してきました。
学校の授業に携わらせていただくのは人生初っ!!
美大出身でもない教員免許さえ持っていないこの私に務まるのかめちゃくちゃ不安でしたが、事前に学校の様子や授業を見学させて頂いたり、先生と打ち合わせを重ねて意見を出し合いながら授業内容を考えていきました。
支援学校の授業はひとコマ30分と短いため、この時間内にひとつの作品を仕上げるとなると手順の多いものは出来ない。
私が事前に見学させて頂いたときも「手形をとる」「色々な道具で絵の具を塗る」という様な、ひとつの工程で完成するシンプルな技法で作品を制作していました。
手形やペイントでも、もっとそこから発展させたいなぁ…
手形のとり方(手のひらだけではない)や、使う材料を変える(画用紙以外のもの)だけでも違った作品が出来るよなぁ…
見学して感じたことや、みんなのアトリエで提供している作品のポイントなどを先生にお伝えした結果、
◆複数回に分けて大きな作品を完成させる
◆各回に異なる技法を取り入れる
◆何が出来るのか分からないワクワク感を大切にする
以上の3つの方向性でいくことに決定しました🙆
《第1回目 色を塗る》
まずは大きな紙に色を塗ることからスタート!
画用紙や模造紙よりも大きいサイズ、そしてこの後の工程での変化も考えて『障子紙』を選びました。
東俣野特別支援学校は医療的ケアが必要な重度身体障害をお持ちのお子さんもいらっしゃるため、クレヨンで描いたり筆を扱うことが難しいということがあります。
みんながペイントを楽しめるように、風船・段ボール・造花・ミニカーなど斜め上を行く(笑)道具に絵の具をつけて、道具を握ったときの感触や絵の具の筆跡に注目しながら紙全体に色を着けていきました🎨
途中で東俣野小学校の生徒さんが飛び入り参加してくれて(東俣野は支援学校と小学校がつながって建てられている全国でも珍しい学校です)日常的に交流がはかられている様子を間近で拝見して微笑ましく感じました🍀
《第2回目 破る》
1回目でみんなが一生懸命に色を着けてくれた障子紙を思いっきり破りました👌
「描いた絵を破っちゃうの?」という驚きと、破るときの紙の感触やどう破るかで変わってくる形や大きさに気付いてもらうことがこの回のポイントです。
低学年クラスではブラックライトで作品を照らしながら(蛍光絵の具を使用していたので筆跡が光る)まるで宇宙にいるような中で作品を破って星空みたいに投げてみたり、
高学年クラスではみんなで破った障子紙をひとまとめにして、一人ずつ雪のように頭上から降らせてフワフワの感触に包まれる体験をしてみたり、
偶然にもただ破るだけではない『アートで遊ぶ』という瞬間が発生していて、みんなの笑顔がいちばん輝いていた回でした🎵
《第3回目 貼り付ける》
2回目で破いた障子紙を、今度はさらに色つきの模造紙の上に貼り付けていきました👐
「壊してまた組み立てる」
1回目から通して紙の表情がどんどん変化していくことと、みんなで同じ模造紙に貼り付けることで最終的にどんな作品が完成するのかワクワクとした一体感が生まれます。
模造紙には事前に両面テープを貼っておき、お子さんたちにはその剥離紙をはがすところから始めてもらったのですが、真横にひっぱる動きが得意な子・クリップに輪ゴムを着けた秘密兵器(?)で挑む子・斜め下にひっぱるとはがしやすいことに気付いた子など、みんな各々に作品と向き合いながら完成を目指しました🌟
学校内なので授業中のお写真は撮れなかったのですが、色を塗った後と完成作品を写真におさめてきました。
作品が変化している様子をどうぞご覧下さい👇
【低学年クラス】
蛍光絵の具を使用して、みんなの勢いが伝わってくる明るく元気な2枚の作品。
一枚目(上)は熱帯のジャングルのよう!
動物がどこかにかくれているみたいですねー🐘🐯🐒
二枚目(下)は縁日のヨーヨーみたいに可愛い模様!
とっても涼やかです🎐
↓↓↓
黒地にビビッドな色が映える!
たくさんの色が集まっているところが世界の国旗のように見えて、今夏開催されたオリンピックで選手たちを応援しているような賑やかな雰囲気を感じます🎌
【高学年クラス】
高学年クラスは長細い障子紙1枚でチャレンジしました!
端から端へと視線を動かしていくと、まるで一日の空の変化を見ているようです☀️🌛
(右の黄色いところが“明け方”の風景で、徐々に“昼”へと変わっていき、左の紫色のところが“夕暮れ”)
みんなが朝起きて学校へ行ってお家に帰るまでを表しているのかな?
↓↓↓
あったかくてどこか優しい雰囲気!
ピンク・オレンジ・紫に下地の黄色も加わってとっても華やかです。
その中にある緑が瑞々しくて、春に咲き誇る花壇のように見えますね🌼
ギュッと小さく蕾のようなものから、フワッとした大輪のものまで、お花の表情も様々です🐞
今回の支援学校での授業で一番難しいと感じたのは“お子さんたちへの声かけ”でした。
主宰している造形教室では「上手下手で判断しない」「うまいね・上手だねは禁句」という方針で運営しているため、生徒さんの制作中の“行動について”褒めるよう心がけています。
その瞬間瞬間を褒めることもあれば、長く通って下さっている中で「成長したな」「逞しくなったな」と感じた部分を褒めることもあります。
対して支援学校のお子さんたちはみんな初対面。
その子が1年前どんな様子だったか、現在は何を頑張っているのかは私には分かりません。
また物理的に先生がほぼマンツーマンでついていらっしゃるため、お子さんの行動が自発的なものなのか、それとも先生が促したものなのか読み辛くもありました。
ここが造形教室(習いごと・趣味)と支援学校(教育機関)の違いかなと思います。
学校には指導要領があって「ここまで到達させたい・終わらせたい」というお考えが先生にはあると思います。
また親御さんにも「学校でこんなことが出来るようになって欲しい」といった願いがあると思います。
『教育機関』なのでそれは当然のことなのですが、それを実現するにはある程度の“統率”が必要で、場合によっては(言い方が悪くて大変申し訳ないのですが)大人による“誘導”も入っているのかなと感じました。
ここは『学校の授業』なのでそれを尊重するのか、それとも自分の造形教室でのやり方やアートに対する考えを押し通すのか。
かなり戸惑いました。
そして遠慮してしまいました。
どうするのがベストだったのか、未だに答えは出ていません。
また東俣野特別支援学校で授業をさせて頂ける機会があるならば、その時は先生と遠慮せずに対話をしていくことが重要かなと、自分でも感じています。
支援学校の講師としても造形教室の主宰者としてもまだまだ力不足な点があり反省することも多いですが、様々な現場で経験を積ませて頂きながら学んでいきたいと思います😌
バリアフリー造形教室みんなのアトリエ
白瀬 綾乃
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