こんにちは!
【バリアフリー造形教室みんなのアトリエ】主宰の白瀬綾乃です😃

今秋、行われた単発イベントのご紹介最終回です。

11月3日(金・祝)【学びの実りアート&ミュージックミュージアム~医療的ケアの必要な重度障害者の学びの成果を発表する文化祭~】にて講師を担当させて頂きました!
👆こちら会場の『かながわ労働プラザ』
これまで戸塚区で活動をしていたので、中区でのお仕事は初っ✨
私は今回、学び・アクティビティ体験コーナーのひとつ『アートの部屋』でオリジナルアート作品づくりを行いました。

お部屋の様子👆
車椅子の方にも移動して頂きやすくするため、普段のアトリエよりもテーブルの前後左右に余裕をとって設置しています。

イベントには明治学院大学と田園調布学園大学の学生さんがボランティアに入って下さっていました。
開始前に学生さんも作品づくりを体験🎨
皆さん、障害や福祉・教育について学んでいるそうで、中には養護学校の教員への採用が決定している子も!
私は家庭の事情で大学進学の選択肢はなかったので、ひとつのことを突き詰めて学んでいる皆さんが羨ましくもあり微笑ましくもあり。
(もし私が今、大学に行けるとしたら何を勉強するかなー。やっぱり福祉?いやいや江戸時代のくらしにも興味があるぞ。恐竜の生態も面白そうだなー。
→妄想が止まらない😆)

介護や福祉の世界は「成り手が少ない」と言われている中で、目標を持って学んでいる学生さんたち。
そんな皆さんに何かひとつでもヒントになることがあればいいなと、制作の手順“プラス”私の作品に対する想いもちょこっとお話しさせて頂きました。
👆大学生の皆さんが制作して下さった作品


『まい泉』の美味しいお弁当をご馳走になったら、いよいよイベントスタートです❗️
(嬉しくて思わず写真を撮ってしまいました…スミマセン(笑))


今回、提供させて頂いたのはこれまで様々な現場でご好評いただいている『リバーシブル抽象画』という作品。
作品づくりに取りかかる前に「抽象画とはなんぞや」という小噺(?)をさせて頂きました。
これによって参加者さまの緊張がほぐれたり、これから制作する作品のイメージがわきやすくなります。

「じゃあ抽象画ってどうやって描くの?」と疑問が出てきますが、あとは手順にそって自由に手を動かしていくだけ😊







この【学びの実り】、『重度障害者の学びの成果を発表する文化祭』というサブタイトルが掲げてあるので、当事者である重度身体障害をお持ちの方が来場されるのかなと想像していたのですが、意外と(?)福祉関係の職員さんや専門家の方が多く、私のコーナーも「今後の支援の参考に」といったお考えで参加して下さる方が沢山いらっしゃいました。

お子さんが重度身体障害をお持ちだというお母さまもご参加下さったのですが、後日
「娘がアートのレクリエーションをしたときに何であんなに集中しているのか、作品が完成したときに何であんなにキラキラした表情になるのか、自分が今回作品づくりに参加してみて身をもって解りました!」
と感想をくださいました。

このお気持ち、とても大切なことだと思います。
親御さんだけでなく施設職員などにも言えることなのですが、“アート作品づくり”というとどうしても「きちんと綺麗に作らせたい」という考えをお持ちの方がまあまあいらっしゃいます。

「見本どおりに完成させたい」
「見映えよく仕上げて欲しい」

私にも娘がいるので「上手だね!」と子供のことを褒めて欲しい気持ちも、職員として「ウチの施設のご利用者さまはこんなに凄いものを作れるんですよ!」とアピールしたい気持ちも分かります。
ただそれって【誰目線】でしょうか?

おそらく
【親が】周りの人に子供を褒めて欲しい
【職員が】周りの人にご利用者さまをアピールしたい
そういった感情からきているのではないかと思います。
そこには肝心な【作った本人の気持ち】は全く反映されていません。


「見本とは違う形に切ってしまった」
「もうすぐ完成だったのに真っ黒に塗りつぶしてしまった」
親御さんや職員から見れば“失敗”と感じる行動も、作った本人にとっては失敗ではないのです。
「違う形にしたのは、その方が可愛かったから」
「真っ黒にしたのは、その方がキレイだったから」
どの行動にもそこには必ず理由があります。

一生懸命に考えて、作品をより素敵にしようと思ってやったことに対して
「なんで勝手に切ったの?見本どおりの形にしなさい!」
「なんで黒くしちゃったの?元に戻しなさい!」
と言われたら、あなたはどう感じますか?
急に寂しい気分になって、作品をつくる意欲も萎んでいく感じがしませんか?

レクリエーションでどんなものを提供するのか・どんなものに参加させるのか、内容に頭を悩ませることも多いとは思いますが、親御さんや施設職員など“支援する側”の方たちには、
「このレクリエーションは【誰目線】でやる(参加する)ものなのか」
これを常に忘れないでいて欲しいと思います。

私もまだまだ未熟で様々な現場で経験を積んでいる立場ですが、障害当事者の方だけでなく、支援する側の方たちへも自分が伝えていけることがあるんじゃないか…と感じた今回のイベント【学びの実り】でした🌱



バリアフリー造形教室みんなのアトリエ
白瀬 綾乃

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