薬はこわい(血糖降下薬とインスリン)-そもそも糖尿病の原因は…? | 私のおべんきょうノート(ma-windのブログ)

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 この、「安保徹のやさしい解体新書」から書き出している「薬はこわい」シリーズだが、糖尿病の薬については、なかなか書き出せないでいた。というのも、そもそも、安保先生の主張する糖尿病の原因というものが世の中の常識とはずいぶん違うようなのだ。それを理解するのには、体にはエネルギー生成のための2つのシステム(解糖系とミトコンドリア系)があることを知らないと先には進めなかったからである。

 

 糖尿病には自己免疫によってインスリンを作ることができないⅠ型糖尿病と、インスリンが分泌されていても、その量が少なかったり働きが悪かったりして血糖が高くなるⅡ型糖尿病がある。Ⅰ型はインスリンを作る膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの量が絶対的に不足し、食事をとった後も、夜中や朝食前の血糖値も高くなる。多くは子どもの頃に発病する。

 

 日本人に多いのは、Ⅰ型ではなく、Ⅱ型糖尿病の方だ。なので、ここではⅡ型糖尿病について書いていく。Ⅱ型糖尿病は巨大肥満になるアメリカ白人や黒人のように食べ過ぎや運動不足が原因と一般には考えられている。しかし、安保先生は「日本人のⅡ型糖尿病の原因は食事よりも働き過ぎが原因です。」と言い切っている。まず、その辺りを「安保徹のやさしい解体新書」から書き出してみよう。

 

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 仕事が忙しすぎて、休む暇なく過酷な生き方をすると、ストレスが交感神経を緊張させて、アドレナリンが分泌される。アドレナリンはインスリンの分泌を促進したり、肝臓でグリコーゲンからブドウ糖を作ることを促進したりして、血糖を上昇させる働きがある

 

 この交感神経緊張状態は、その一方で、血管が収縮して低酸素、低体温状態になり、ミトコンドリアによるエネルギー生成の効率的な経路は働かなくなる。そのため、エネルギー生成は解糖系に依存し、体はストレスを回避しようと解糖系の瞬発力を使って乗り越えようとする。

(体にはエネルギーを生成する2つのシステムがある。1つはミトコンドリア系、もう1つが解糖系である。)

 

 細胞の中にある解糖系に直接ブドウ糖を取り込むときに必要になるのがインスリン。インスリンがないと、細胞膜を通過できないから。

 

 さて、通常、解糖系は酸素を使わずにインスリンを使い、1分子のブドウ糖(グルコース)を分解して2分子のピルビン酸を作る。そして、出来上がったピルビン酸をミトコンドリア系に渡して、効率よくエネルギーしを作る。しかし、交感神経緊張状態では、酸素が十分に取り込めないために、最終的に作られるのはピルビン酸ではなく、乳酸になる。

 

 ミトコンドリア系では乳酸を活用することができないので、乳酸は血液中から肝臓に運ばれ、ブドウ糖の合成を行う。

 

 このように、解糖系でエネルギーをつくるためにインスリンを使い、ピルビン酸、乳酸を作り、そして、新しくブドウ糖の合成を行うということが、ずっと続くことになる。このストレスを回避しようとする緊急状態でのエネルギー生成なので、同じ経路をずっとたどり、いつまでもインスリンを必要とする…という状態が続く。その結果、インスリンを分泌している膵臓は疲弊し、しかも、効率の良いエネルギーを作れず不足の状態が続くので、体はやつれていく。そういったわけで、糖尿病の人の体の中では、エネルギー生成のバランスがうまく働いていない。つまり、解糖系とミトコンドリア系がバランスよく働きあっていないことになる。

 

----------- ここまで

 

糖尿病の原因のとらえかたが違うと、「インスリン」で解決しようとする薬の使い方は、当然、体に悪影響を及ぼすだろうと想像できる。

 

それは次回に…。