私のおべんきょうノート(ma-windのブログ)

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何でも自分で調べて、自分で考えよう。
本でもブログ記事でも、丁寧に読み込むことで新たに見えてくることがある。そういうものを少しずつメモしていこう。
分野は多岐にわたります。

 自由にものの言えない社会というものが、すぐそこに迫ってきている。けれど、それがいったいどういうことなのか、なかなか想像がつかない。え、黙っていればいいのでしょ?ではすまない状況が起こる。私たちは何に対しても抗えない奴隷になっていくのでは…。

 佐高信著「この人たちの日本国憲法」からのこのシリーズ2人めは作家の城山三郎氏。お恥ずかしながら、教養が無くて、この作家さんは存じ上げていなかった。この本で初めて知りました。

 

 

   

 

 城山氏は親が勧めた理科系の学校への進学を蹴って自ら志願して普通の軍隊に入った。しかし、彼は「普通の軍隊」ではなく「立派な皇軍」だと信じて志願したのである。それは当時ベストセラーだった杉本五郎中佐の『大義』に心酔して…ということだったという。そんな彼のことを著者の佐高氏は彼への2つの追悼の文でこのように述べている。

まず、1つめ。

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 城山さんのことは私が一番よく知っているなど独占するつもりはもちろんありませんが、城山さんを語る時、勲章拒否と現憲法擁護の二点だけははずしてほしくないと思います。城山さんは「戦争で得たものは憲法だけだ」と口癖のように言っていました。まさに城山さんの遺言というべきでしょう。城山さんは「旗は振るな」と言いましたが、城山さんの遺志として、私は護憲の旗だけは掲げ続けていきたいと思います。

 

----------- ここまで

 

2つめ

 

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 戦争中に鼓吹された「大義」を信じ、城山少年は17歳で海軍に志願する。しかし、そこで見たものは、信じられないような上官たちの腐敗だった。自分たちには粗衣粗食の上に厳しい訓練を課し、彼らはのうのうと暖衣飽食の生活を続けている。

 その現実にしたたかと打ちのめされて、城山さんは、「組織と人間」をテーマに『大義の末』を書く。「皇国日本という大義」は、自分の中で、どう崩れていったか。なぜ、自分はその大義を信じてしまったのか。一途な城山さんはその問いを終生手放さなかった。

 そして、自分は「志願した」と思ったが、あれは志願ではなかった。言論の自由のない当時の社会や国が「強制」したのだという結論に至る。

 権力者疑惑隠し法である個人情報保護法に突如反対し始めたように見えるかもしれない城山さんの思いはそこに発していた。つまり言論の自由こそが何よりも失ってはならないものであり、個人情報保護法はそれに反するとして憑かれたように行動したのである。

 城山さんは音に敏感だった。それも、ラウドスピーカーで「志願」させられ、少年兵として癒えることのない傷を負ったからだろう。騒音をまきちらす店では買うなと、いつも奥さんに言っていたという。

 

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自由にものの言えない社会への警鐘として、今、これをしっかり受け止める必要があるよね。そして、まともなことを言えないことの恐ろしさについて城山氏はこのように述べている。

 

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 昭和2年生まれの城山は翌3年生まれの土井たか子との対談(『週刊現代』2002年6月22日号)で、

僕たちの世代は、自由にまともなことが言えない恐ろしさを身に染みて知っています。言論の自由を奪うことは、まさに諸悪の根源

と断言し、こう嘆いている。

「戦争を体験していないのは仕方ないにせよ、今の若い政治家は、戦争体験を知ろうとしないし、わかろうともしません。戦時中、国民がどれだけ痛い思いをして、なぜそうなったのか、まったく知ろうともしないで政治に携わろうとする。これは非常に危険だといわざるをえません

 

------------ ここまで

 

 このセリフは高市さんや小泉さんに聞かせたい。

 

 その結果、

 

------------ ここから

 

 まさに、こうした軍隊に入って城山はすべてを失い、「戦争で得たものは憲法だけだ」と断言するようになった。

 また城山は自らの体験を基に、特攻は決して志願ではない、と繰り返し強調した。志願と思わされたのであり、実際は、言論の自由のなかった当時の国や社会が強制したのである。

 特攻を感傷的に美化し、「強制」なのに「志願」とすりかえる風潮を城山は激しく糾弾した。そして、旗を振った者への嫌悪と、それに振り回された自分への悔いを秘めて、「旗」という詩を作った。

 

------------ ここまで

 

今、国家情報局が設置されようとしている。これはとても恐ろしいことだ。

 

 

------------- 全文コピペ

 

 

TBSラジオ「荻上チキ・Session」(5月4日)の青木理さん(ジャーナリスト)による「国家情報局」の危険性に関する指摘が超重要だと思ったので紹介します。

 

青木理さん 

「国家情報会議」および「国家情報局」を作りましょうという法案が、すでに衆議院を通過して5月8日に参議院で審議入りする予定です。 インテリジェンス機能の強化などと言われると、よくわからないという人や、それなら仕方ないんじゃないかと思う人もいると思いますが、「国家情報局」にこれから深く関与していくことになる公安調査庁という法務省の外局のことを知っておく必要があります。

  公安調査庁は破壊活動防止法に基づいて作られた機関です。リストラされかけた1990年代に政治家に気に入られる必要があると選挙情勢を調べて特定の議員に報告に行きましょうという内部文書を作ったり、市民団体、環境団体、人権保護団体、消費者団体、労働組合などあらゆる市民運動を調査したり、昨日、憲法記念日で憲法集会が全国各地で行われましたが、こうした集会なども調査し、公安情報総合治安官庁になりたいと考えて、実際にそれを行動に移してきたのが公安調査庁です。

 

  つまり、こうした公安調査庁が参加する「国家情報局」を作ると、その政策立案に必要な情報とか、あるいはこれからエネルギーの問題がどうなるのか、イラン情勢がどうなるのかといった情報ではなく、むしろ政府に異議を唱える、あるいは時の政権の政策に対して疑問を唱える人たちを広範に監視する市民監視組織になってしまうのではないか

 

   この「国家情報局」は、今ある内閣情報調査室を格上げする形で作られます。内閣情報調査室は、警察の一部門である公安警察が事実上牛耳ってきた組織です。そこに今度は公安調査庁も情報を今度あげることになる。

 実はその公安警察も同じようなことをやっていました。2014年7月に朝日新聞がスクープして発覚した、岐阜県の大垣警察署の警備部門である公安警察の活動内容です。住民の人たちが国家賠償請求訴訟を起こしたということで、僕ら注目した事件ですが、岐阜県の大垣市で2010年代に風力発電の大規模計画が持ち上がり住民が大丈夫なんだろうか、環境に影響があるのではないかと地元で勉強会を始めたわけです。そうすると大垣警察署の公安部門の人たちが、その勉強会を始めた住民の学歴とか病歴などプライバシーも含む個人情報を調べ上げた。調べ上げただけじゃなくて、その風力発電の会社、これ中部電力の子会社だったのですが、その中部電力の子会社の風力発電の計画を進めている会社にその住民の個人情報を伝えて、住民運動が起きて事業がうまくいかなくなるのでお互いに協力して、住民運動にきちんと対処しましょうということを行っていた。これが朝日新聞のスクープで明らかになって、住民は国家賠償請求訴訟を起こしました。 この大垣署住民監視事件は一審は岐阜地裁で、 二審は名古屋高裁で、そもそもこんな情報活動自体が違法だという結論が出て賠償が命じられ、その判決自体は非常に画期的で重要な判決となりました。

 

 このように公安警察という組織は、岐阜県警の大垣署という本当に末端のところでも、こうしたことをこれまでやっていたわけです。 警察の論理で言えば、大企業――国策に近いような大企業が進めている事業に反対する奴らなんかは調べるが当然という発想になる。これが警察とか治安機関の本質で、それをやられないようにする歯止めもかけないまま、事実上警察が牛耳っている

 

 「国家情報局」――あるいはさっき言ったように市民団体を敵視しているような公安調査庁が「国家情報局」を作ったら、その先に何が起きるでしょうか。インテリジェンス機能の強化ではなく、むしろ市民運動の監視、あるいは国民監視をする機関になってしまうという懸念は、参議院の審議を前にもう一度、お話をしておきたいと思います。 

 

荻上チキさん

 やっぱり国民監視の欲望そのものが従来から脈々と存在するというのがまず一つ。 その一つの事例というものが国家賠償訴訟の対象になったけれども、本当にその事案だけ、つまりこの事案は全部オープンになって、たまたまそれが裁判になって負けたけれどもきっと違うでしょう。他にもそうした事案はあっただろうけれども表になっていないものもあるんのではないかというのがありますよね。 加えて、実際にそうしたことをやらないと言うのであれば、やらないという縛りをかけなくてはいけない。ブレーキをちゃんと設計図に盛り込んでおかないと、いざとなったらやるかもしれない。しかもそれが政治家の関心を買うための道具に使われる――つまり人々の国民の情報とかが様々な道具として使われてしまう可能性もあるわけなので、こうしたものについて後ろめたいところがないんだったら、ちゃんと最初に縛りをかけませんかという議論から出発してほしいですよね。

 

 青木理さん

 この本質を踏まえると、僕は「国家情報局」なんてものを作れば、単なる市民監視機関になってしまうので、僕はやるべきではないと思うんだけれども、それを本当にやるっていうことであれば、チキさんがおっしゃったように、今までこの警察、公安調査庁は一体何をしているのか明らかにした上でそこにきちんと歯止めをかけるということを、まず議論しなくちゃいけない

 同時に、そういうものを作るなら外部からきちんと監視ができるようにする。「いやいや、それは単なる市民監視じゃないですか」「インテリジェンス機能の強化でも何でもないじゃないですか」ときちんとした監視をかけるような機能がある第三者機関を作るとか、あるいは国会からきちんと監視ができるような体制を作る必要がある。 

 さらに言うと、「国家情報局」の上に「国家情報会議」を作るんですね。「国家情報局」は内閣情報調査室を基盤として警察が主導して作る。そこに公安調査庁、警察庁が情報を上げてくる組織になる。その組織は最終的に「国家情報会議」に情報を上げるわけです。この「国家情報会議」のトップは首相です。首相がトップで、防衛大臣、国家公安委員長、法務大臣、外務大臣などがメンバーになっている。この構図の「国家情報会議」を作ると実務をする「国家情報局」にしてみれば、政権におもねる情報をあげますよね。逆に言えば、政権の方はこういう情報を上げてくれよとなる。

 僕はインテリジェンスという言葉は好きじゃないからあまり使いたくないけれど、世界のインテリジェンス機関を見ていても、これは最悪です。つまり政治と切り離さないと最悪のインテリジェンス機関になる。つまり政治と一体化していると、例えばアメリカがブッシュ政権の時にイラクに大量破壊兵器があると言って侵攻した。あれはブッシュ政権がイラクに侵攻したい、そういう情報が欲しいって言えば、そういう情報を情報機関は集めてくる。でも結果的にこれはガセ情報だったわけですよ。だから、そのガセ情報を政権に都合がいいから集めてきてしまうような欲望を、こういう治安機関とか情報機関は常に持っているわけですよ。 

 その酷いパターンは日本でも起きていて、大川原化工機事件はまさにそのパターンです。高市首相がベトナムとオーストラリアに行って経済安保だって言った。経済安保と高市政権が言っているから、こういう事件をやれば喜んでもらえる。こういう事件をやれば俺たちの手柄になるぞと突き進んでしまうことが往々にして起きるのが、治安機関、情報機関というものなので、本来、政治と情報機関はきちんと切り分けなくちゃいけない。そういう議論も全く起きていない中で、僕は野党を批判するつもりはないけれども、共産党は反対したみたいですけれども、かなりの野党を含めて賛成しちゃってるっていうので、参議院はね、ご存知の通り議会構成相当違うから、どういう議論が行われるかわからないけれども、でも新聞なんかを見ていれば、今国会で成立するのは確実な情勢とされていて、さらにスパイ防止法だ、対外情報庁だと突き進んでいくっていうので、本当にいいのかともう一回立ち止まってほしいと思います。

 

荻上チキさん

 制度の仕組み上、国民を守るためという口実で、実は政権を守るため、実は省庁の手柄が欲しいために使われかねない仕組みになっているので、それの歯止めとして十分ですかということですね。

 青木理さん そうですね。 

荻上チキさん またぜひともこのテーマで聞かせてください。

 

---------- ここまで

 

これがどんなに恐ろしいことになるか…。この法案、まだ参議院を通過していないのに、既にこんなニュース。

 

 

 

どれだけ前のめりになっているか…。私たちは反対の声すら上げられなくなる。とても危うい状況。

 

最後に…城山氏のこの言葉が重い。

 

------------ ここから

 

 城山は「わたしたちには、戦争の前にも、戦後にも、人生はなかった」し、「生涯かかってもふさがらぬ傷口」をあの戦争は残した、と書いている。

 幹部だけがいい思いをし、自分たちは虫けらのように扱われる。たった4か月ながら、その軍隊生活は二度と思い出したくないものだったが、しかし、忘れようとて忘れられないほどの火傷をその精神に負わせた。

 

------------ ここまで

 

戦争へ突き進むこの恐ろしさを私たちはまだわかっていない。