普段お会いしたときには、とても対応が丁寧
で几帳面な社長さんなのに、
帳簿(経営数字)を見せて頂くと、ぐちゃぐ
ちゃになって上手に管理ができていない…
ということがあります。
その社長さんは「数字が苦手だから…」と苦
笑いをしていらっしゃいましたが、それはウ
ソ!
実は几帳面さが仇(あだ)になって、数字の
処理で「ありがちな罠」にはまってしまって
いるのです。
では、几帳面な社長が陥りがちな「罠」と、
その回避方法とは?── というテーマでお
送りいたします。
前回の記事で、「1店舗目で大成功した社長が、
2店舗目で大コケする理由とは?
(https://ameblo.jp/ma-taomoto/entry-12523671183.html)」
という内容を書きました。
要約すると、「社長が使う経費」はそれぞれの
店舗から切り離して、「管理部」として認識す
るのが良いという内容です。
こうして管理部を作ったときに、社長さんか
ら、こんな質問を受けることがあります。
「私(社長)以外の幹部役員の給料は、どう
したら良いの?」
「銀行からの借入金の利息も分けるの?」
「管理部として集約した経費は、赤字の店舗
にも負担させるの?」
つまり、前向きに進もうとしているのに、数
字の管理をしようとしているのに、都度「〇
×クイズ」に足止めをされている状態です。
もっと言うと、社長さんが自分で〇×クイズ
にした結果、どちらかが不正解だと思い込ん
でしまい、先に進めなくなってしまうんです
…
いかがでしょう?
1つ1つ気になって前に進めない…
心当たりはありませんか??
でも実は、社長さんが〇×クイズだと思い込
んでいるだけで、どちらを選んでも大丈夫な
事って多いんですよね。
先ほどの3つの質問を例として、考えてみま
しょう。
幹部役員の給料はどうしたら良い?
私(社長)以外の幹部役員の給料は、
どうしたら良いの?
社長さんと同じように、全て管理部
に含めるとわかりやすいですが、
もしA店舗に常駐しているなど、部
門が特定できるのであれば、例えば
A店舗80%、管理部20%で振り
分けてみたらいかがですか?
振り分ける割合を何%にするかは、
本人にも確認しつつ納得のいく数
字を選べば良いと思いますよ。
銀行からの借入金の利息を分ける?
銀行からの借入金の利息も分ける
の?
2店舗目を出すときの借入金にか
かる利息は、B店舗に含めるのが
合理的だとは思いますが、
過去に借り換えをしたことで、いつ
の借入れかわからなくなっている
ケースも多いですし、
全体の損益に与える金額的な
影響も少ないので、利息は
管理部に含めて、最後に振り
分けてはいかがでしょうか?
管理部の経費は赤字店舗も負担するの?
管理部として集約した経費は、赤
字の店舗にも負担させるの?
もしB店が単独の会社であれば、当
然社長さんの給料はB店舗で負担
しなければいけませんよね。
そこを無視してA店舗に100%
負担させるのは、B店長の甘えに
繋がりますし、A店長も納得しな
いと思います。
ただ、A店B店に振り分ける割合
は、売上額の比率で確定させずに、
皆さんが納得のいく割合を検討さ
れてはいかがでしょうか?
いかがでしょう?
こうして検討の余地を残して、納得のいく判
断をしていくことで、前向きに議論を進めて
いけるのではないでしょうか。
結果として、上手な数字の管理ができるよう
になりますよ。
「なんで几帳面な社長は、数字の扱いが超雑
に見えてしまうのか」という問題。
原因がおわかりいただけたでしょうか?
本当は柔軟に考えていい問題を、○か×かで
きっちり考えようとするあまり、思考がフリ
ーズしてしまっていただけなんですね。
でも、やり方さえ憶えてしまえば大丈夫。
私は社長さんとの打ち合わせの中で、
「どこまでやるかの世界ですよ。」
という表現を使うことがあります。
思い悩んでストップしてしまうのであれば、
まずはどこまで細かくやるか、どこまで大雑
把にやるかを検討して、議論をどんどん進め
てみましょう!
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株式会社CFパートナーズ
代表取締役
峠本正喜(たおもとまさき)
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