少しデータが古いが、2019年1月26日にテレビ朝日系列で放映された『陸海空 地球征服するなんて』で、発表された“地球上で今一番有名な日本人ランキング100”によると、
1位:本田圭佑(サッカー選手)
2位:宮崎 駿(アニメーター/映画監督)
3位:村上春樹(作家)
4位:黒澤 明(映画監督)
5位:鳥山 明(漫画家/ドラゴンボールほか)
6位:長友佑都(サッカー選手)
7位:尾田栄一郎(漫画家/ワンピース)
8位:安倍晋三(総理大臣)
9位:ピコ太郎(芸人)
10位:乾 貴士(サッカー選手)……であった。

こちらもデータが古いが、2018年9月1日にテレビ東京系列で放映された『世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団』で、発表された“外国人が選んだ尊敬する日本人ランキング”によると、
1位:宮崎駿(アニメーター/映画監督)
2位:黒澤明(映画監督)
3位:坂本龍馬(幕末武士)
4位:村上春樹(作家)
5位:紫式部(作家)
6位:杉原千畝(外交官)
7位:草間彌生(芸術家)
8位:坂本龍一(音楽家)
9位:孫正義(実業家)
10位:イチロー(野球選手)……であった。
 

どちらにも名前があるのは、宮崎 駿(アニメーター/映画監督)、村上春樹(作家)、黒澤 明(映画監督)である。

日本人有名人の知名度の高さに共通しているのは、万国共通のスポーツ日本文化(アニメ・漫画・小説・映画)で活躍していること。
もし今調査したなら、大坂なおみ(テニス選手)、大谷翔平(野球選手)、羽生結弦(スケート選手)、吾峠呼世晴(鬼滅の刃)、芥見下々(呪術廻戦)、新海誠(君の名は)などが入ってくるのだろう。

村上春樹作品の中でどれが好きか? と問われると、
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『ねじまき鳥クロニクル』、『ノルウェイの森』、『1Q84』、『海辺のカフカ』、『羊をめぐる冒険』、『騎士団長殺し』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『風の歌を聴け』など、すばらしい作品が多いため甲乙つけがたいが・・・
私の中ではやはり、『ノルウェイの森』(1987年刊行)だろう。

 

村上作品の中では例がないほど現実的、写実的に描かれた「恋愛小説」だが、語られてるのはむしろ「恋愛」とは正反対の「死」
「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」ということが、この物語を貫く最大のテーマ。
死を自らの生の一部として宿命的に抱えながら、それでも生きる意味を問い、死の世界からの呼び声と、それに耐え生き続ける決意とのせめぎ合いが描かれている。
こうした重いテーマにも関わらず不愉快な読後感を残さず、むしろ生への希求が強く印象づけられるのは、「緑」という登場人物が象徴する「生」の力にある。

また、下劣さ・無神経さが、傷つけ・損ない・置き去りにしたものの側に立って「闘い続ける意志」や、
誰かを傷つけるためだけの悪意や、無意味な行為を通してしか自己を確認できない病んだ魂の存在などの「不条理な暴力の本質への言及」など、
村上の世界観(=イデオロギー)が込められた傑作だと思うのである。