特別な心理状態にある利用者の気持ちを理解し、どのように解決に導けばいいのでしょうか。
人と争ったり交渉したりすることが苦手な日本人にとって、クレームは日ごろのコミュニケーションの延長線上で応対するには限界があります。
解決の道筋を見つけていくためにはお客様の不満や怒りを受け止めながら状況を明確にしていかなければなりません。
解決へ進めていくためのステップを紹介しましょう。
①人間関係構築(相談に乗る姿勢・態勢づくり)
クレームを言ってくるお客様に、真摯(しんし)に真剣に聞く姿勢を伝えます。
クレーム言ってくるお客様はこちらに好意を持っていない可能性も高いです。
まずは「私が相談に乗ります。ご相談ください」。お客様との良好な人間関係作りが必須ポイントです。
ここで必要なスキルはマナーです。
マナーは好印象を与えるだけではなく相手の攻撃から身を守るよろいでもあります。あいさつ、身だしなみ、言葉遣い、表情、態度などは日常の癖が出やすいので気をつけたいです。
お客様は社員に対してあげ足取りの名人になっています。
小さなことでイライラされ、二次クレームに発展しないように気をつけたいです。
②クレームニーズの把握
しかるべき解決策を提案するためには何が起き、どのような要望なのか、その目的や問題に焦点を当てることが必要です。要望や状況を的確に伝えられるお客様ばかりではなく、感情的な言い方やあいまいな表現も多いです。
ここでは的確に焦点を絞れる聴く力と、怒りを鎮める共感力が必要なスキルとなります。起きてしまったトラブルや問題だけではなくお客様の個人的な感情や気持ちまでもが複雑に絡むクレームです。不満を抱いたお客様は怒りたくて仕方がないのです。深層心理にある「私は文句を言いたい」に油を注いではいけません。
③ゴールへの誘導 (解決策の提案)
会社としての解決策を伝える場面です。会社の解決策はお客様からすると納得のいかないものも多いです。
不承諾であっても理解・協力を得るためには話す力が必要です。会社の方針やルールなどを十分納得いただくよう説明したいです。
利用者との接点を考えた場合、社員のストレスは大変なものと想像ができます。「困った」の声に適切な情報や応対方法を社員に提示することが、顧客満足促進の具体的な取り組みとして非常に重要です。
不満感やトラブルが生じたときのお客様の心理を理解し、これを鎮めながら、企業が目指すべき解決策を理解して納得してもらう。このプロセスを理論と実践で学び能力のひとつとすることが大切です。
