クレームは「お客様からの貴重な情報源」であり、会社や担当者が把握しづらい問題や商品課題などがたくさん含まれています。
クレームを申告する人が一割、申告しない人が九割というデータもあり、クレームは、不満を申告しないで会社・店離れをしてしまうサイレントクレーマーの声も代弁しています。
クレームをいかに活用していくかが企業の大きな課題です。
しかし、実際はクレームを受けた瞬間「ありがたい」と思う人はほとんどいないでしょう。
誰しもクレームに遭遇すると「嫌だなぁ」「私の担当ではないのに」などと、逃げたい・避けたい心理に変化するものです。クレームを前向きに受け取れない理由を、少し考えてみましょう。
①納得のいかない怒りを突然ぶつけられる
いきなり第三者から文句を言われることに誰しもビックリし、困惑します。
ましてや相手が感情的であり、攻撃的な言い方であればなおさらです。
他人から理不尽なことを突然言われるなど日常生活ではあまりないことだから、怒りに対して萎縮してしまいパニックになり、冷静に解決策を提示することが難しくなってしまいます。
平常心であれば、知識もありしっかりと回答することができても、窮地に陥ると人は冷静さを失ってしまうものです。
②トラワマになる
人は一度嫌な経験をすると、新たな心構えでクレームに臨むことができにくくなります。
「あんなに一生懸命応対したのにダメだった」「私にはうまく応対はできない」とあきらめ感に変わってしまいます。
または逆に「今度こそ負けないぞ」と攻撃的に出てしまうケースもあります。
③解決方法があいまいで回答ができない
よくあるクレームは、誰もが対応できるように解決方法を明確にしておきたいものです。
方法が標準化されていなければ、二次クレームに発展することにもなります。
「臨機応変に対応しなさい」といわれてもどうしたらよいかわからず、あいまいに答えてしまったり、担当者が戻ってから回答しようとそのままになってしまうこともあります。
④円満にすっきりと解決しない
顧客は自分の要望が受け入れられない場合、すっきりとした気持ちで「ありがとう、助かりました」と納得はしません。
クレームの難しさは、顧客の要望と企業側の提案にズレがあるということです。応対者として会社の方針・解決策を提案してもなかなか受け入れられず、最終的に問題が解決したとしても、捨てぜりふをもらってしまう。
応対者としてどんなに頑張ったとしてもこれでは気分が晴れないはずです。
