未来が見えないとき | 片耳日記 〜 Acoustic neuroma 〜

片耳日記 〜 Acoustic neuroma 〜

2017年の11月に聴神経腫瘍が見つかり、2018年の5月に摘出手術を受けました。現在は年1回の経過観察通院中。手術により右耳の聴力を喪失。
そんな”片耳生活”のアレコレをブログにしたためています。
試しにgoogleで、「片耳日記」と検索してみてください(^^)

早いもので、退院してから今日で88日目、手術してからは105日目になります。

そして、このブログも94投稿目です。

あと、6回でちょうど100投稿になりますね。

正直、こんなに書き続けることになるとは思っていませんでした。

切りよく100回目で最終回にしようかなぁと思ったりして...(笑)

【はじめて読む方は、こちらからどうぞ】

 

病気がわかってから3ヶ月ぐらいは、先のことがまったく考えられず、

将来の自分が全然見えなくなっていました。そもそも将来なんてあるのかと...。

今、考えると精神的には一番苦しい時期だったかもしれません。

 

筒井康隆さんの小説に「七瀬ふたたび」という作品があります。

人の心を読む力を持つ美人超能力者の「七瀬」が主人公です。

特異な能力を持つ「超能力者」たちが人々から恐れられ、排除されていくというストーリーですが、コレ、読んでみるとわかりますが、ほんとに救いがないお話です...(^^;

 

【「七瀬ふたたび」新潮文庫】

 

ちょっとネタバレになりますが...、

登場人物の一人、未来を予知する能力を持つ青年がある時点からその能力が使えなくなってしまいます。ある同じ光景しか頭に浮かばなくなるのです。

あとでその衝撃的な理由がわかります。

つまり、その青年の命がその光景の場所で失われてしまうので、それより未来の予知ができなくなってしまうという訳です。

 

病気が発覚してからしばらく、ずっと昔、高校生ぐらいの頃読んだこの小説のこのシーンが、ふとした時に何度も頭の中に浮かんできました。

予知能力を失った、未来を失くした青年と自分が重なって見えたのです。