時間だけが過ぎて行く
日付だけが進んで行く

子が日に日に成長するのを実感しているのだから
そんな風に思わなくてよいのかもしれないが
私個人としては
こんな風にあっというまに時間が過ぎ日付が進むのは
初めてのようにも思うし
逆に 今まで 子が生まれるまで の方が
薄く 軽く 吹き飛んで行っていたようにも思う

たまに独りの時間が出来ても
これをした という有意義な使い方が出来ない

本当は 隙間を見付けて
語学だって 文学だって 出来るはずなのに
定規で線を引き 時間割を埋める ようには
そういえば もともと出来ない人間だった

眠くて眠くて 寝てしまうつもりだったが
ふと思い出して チケットを買った
自分へのプレゼント クリスマスの かつ 誕生日の
今までとは違い
自分以外の都合でオジャンになる可能性をはらんだ
あやういチケットだけど
万一の時に代金が戻って来る保険には入らなかった
そういう時は そういうもんだと 諦められるだろうから
とにかく今 チケットを買う ことそのものが 大事だった

なにかひとつ 新しいものを買おうかな
そうだ コートを買わなくては
今年こそ買おう 新しいコートを着てホールへ行こう

声が聞こえて 上がるとやはり起き上がっていた
どうしたものか 起きたな と思って見に行って
本当に起きて彼がこっちを見ていると ぞくっとする
隣で寝ている輩は体調が悪いとかでいつも通り爆睡中
子も泣くことなく 静かに授乳を済ませた

周りがどんどん卒乳していく中でこの状態
まったく焦らないかといえば嘘になるけど
些細なことでイライラしたり怒ったりする中で
これだけは 好きなだけ 好きなように させてあげたい と
言い訳かもしれないけれども

これだけかわいいなら
些細なことでイライラしたり怒ったりしなきゃいいのに

『女坂』の中に
日常の中の小さな幸せ これ以上のものがあるだろうか
といった記述があった 正確には覚えていないのだけど
今の私は よくわかる
お気に入りのビデオに合わせて激しく身体を動かす姿に
夫婦目を合わせて微笑む
文字にするとアホみたいだけど
そういう瞬間こそが
幸せ なのであり
それ以外の もっと大きな何かは
逆に 瑣末なものであり
それは本当に小さな小さなものだけど
だれでもいつでも得られるものではない ということも
今の私は よくわかる

そうだ 髪を切らなくては
この頭では どこにも行けない だれにも会えない

独りの時間は あっというまに過ぎる もう寝なくては