私はどこかの会社の見習い社員で
研修後 帰りが遅くなって
お先に失礼したは良かったが
建物のどこに出口があるかわからず
途方に暮れていたところに
顔見知りの女性社員が現れて
出口まで連れて行ってくれた
意外とすぐに出られたことに
夢の中ながら ほっとした
帰宅し
資料を見返していたら
人数不足で借り出されらしい
その人が
私では無い人と
ペアを組んで研修を受けていたことを知った
お皿を洗いながら私は
自分の中の何かが
何かが満たされないことに対する何かが
ブラックホールのように膨れて
しかし外側にではなく
内側へ内側へと
膨らんでいくことを
自覚していた
それはとうに
気付いていたことだったが
お皿を洗いながら
私は感じていた
もう限界だ
もう充分くるしんだから
あまえさせてください
おねがいです
たすけて
と書き送ろうとして
それでもその人は
私のためを想って
あまえさせてくれないだろう
と書き送れない自分に絶望し
目が覚めた
あのスタジアムの出口で
私は何を伝えたかったのだろう
ホテルに帰ってから
想いを伝えられないことの悔しさに散々泣いたけど
いったい私は何を伝えたかったのだろう
本当にくだらない幼稚なことだが
こんなに長く待ったのだから
もっと一緒にいたい
あと1分でも1秒でもいいから
私のために
ここにいて欲しい
それが無理ならせめて
長いこと待ってくれてありがとう
去年も来てくれてありがとう
と言って欲しい
本当にくだらない幼稚なことだが
今やっと自覚した
でも私は
その時も
その1年前も
平気な振りをして
航空券を破り捨てることもなく
そこに刻印された日付どおりに
帰宅した
それが
もはや子供ではない
大人の私のすべきことであり
仮にそうしたところで
相手も喜んではくれないことを
知っていたから
いったい私は何を伝えたかったのだろう
本当にくだらない幼稚なことだが
こんなに長く待ったのだから
もっと一緒にいたい
あと1分でも1秒でもいいから
私のために
ここにいて欲しい
それが無理ならせめて
もっと一緒にいたい
ずっと一緒にいたい
君が好きだ
君だけを愛している
と言って欲しい
本当にくだらない幼稚なことだが
今やっと自覚した
すべては
言わなくても
言ってもらわなくても
心配ない台詞だったかもしれなかった
爆発しないギリギリのところで生きることが幸せなのだと
私は必死に思い込もうとしているけど
そういう私が
誰かを苦しめていることも
わかる
もう大人だから
あまえちゃいけないんだけど
もう充分くるしんだから
おねがいです