約10年ぶりに母校を訪れた。

当時の恩師が読書会に誘ってくれたからで

約1年ぶりの日本文学との対峙は

純粋に、楽しかった。


アカデミック過ぎない雰囲気が心地良く

院生時代はまさに「貝」だった私も

ここでなら自由に発言出来る。


ならばもっともっと読み込んで

言いたいことを箇条書きにして臨むくらいの努力は

しなければバチが当たる。次回からちゃんとやろう。


私が興味を抱いたのは

・文三に見る日本人の学問と職業との関係

・お勢に見る日本人の熱しやすさ・冷めやすさ


カッコ良く書いてみたがなんてことはない。

独特な時代背景を持つこの作品について

こういうテーマで語るには地盤が浅過ぎた。でも

私なりの注目ポイントの付け方という意味では

いいリハビリになったように思う。



私鉄ではなくJRの最寄駅から歩く途中で

4年間住んだ下宿アパートの前を通ったら

何も変わっていなかった。あの頃のままだった。


変わったのは

階段の手摺に誘引されているのはクレマチスだとすぐにわかった

私の方で


あの部屋に住み始めた日からもうすぐ20年が経つというのに

あの部屋に住んでいるうら若き乙女がいる。すごいことだ。


この辺りとはレベルが違う

本物の「閑静な住宅街」での暮らしを

今の私なら満喫できる自信があるのだが


あの頃の私と今の私とは、ある意味、別人だ。


でも皆で校舎を出た時

これから下宿アパートに帰るような気持ちになった。

不思議な瞬間だった。


「ここに通っていた時は本当に勉強しない学生でしたから」

という台詞は謙遜でも何でもなく、事実そのものなのだけど


それでも文字通り「多感な時期」を過ごしたこの学舎は

やっぱり特別で大切な場所だ。


敷地内には様々な植物が名札付きで植えられ

ちょっとした植物園のようになっていることに

今更ながら気が付いた。いや、今だから、気が付いた。


現役学生ちゃん達で溢れ返っていたら

さぞかし居心地が悪いだろうが

めげずに是非また足を運びたい。