文学ではない授業の発表に使うので再読。


潤一郎ラビリンス〈11〉銀幕の彼方
(これに入っています)


純文学っぽくないので面白く読める作品です。


ある映画女優が、自分の知らないところで

自分が主役を務める映画が出回っていることを知ります。

映画の中の彼女の膝には、「焼き込み」されたと思われる

男性の顔が「人面疽」として現れ、いろいろな悪さをします。

彼女はこの映画を撮ったことに全く覚えが無いのですが、

アメリカでの映画撮影は、ストーリーを知らされること無く

複数の作品を部分的に平行して撮っていくのが普通なので

(この辺りは小説内での話です、あくまで)

撮った覚えが無いのも頷けるのだけど、一箇所だけ、

「焼き込み」では説明がつかないシーンがあるのです。

さらに「人面疽」役の日本人男性が誰だか、さっぱりわからない。

そしてこの映画は観た者に不幸をもたらすという噂なのです。


今回のポイントはこの小説の構造、つまり、


映画にまつわる奇妙な話

(膝に「人面疽」が現れる・観た者に不幸をもたらす)

 ↓

女優にまつわる奇妙な話

(撮られた覚えがない・共演している人物に覚えがない)

 ↓

「人面疽」という奇妙な話


という「入れ子構造」になっていること。

これが初期ドイツ映画とどう関係するか、という視点から書かれた

論文だったのですが、私はドイツ映画を観ずにまとめてしまったので

少々無理があった…かな。まぁ私の興味は谷崎なのでご勘弁を。


関連してこれも読んだんだけど、

自分の昔の記事が…笑えた。軽いなぁ。今もか。

でも、今よりちゃんと読めてる気がした。

『青塚氏の話』 (1)

『青塚氏の話』 (2)