ヒツジ

2004年のジュビロ戦は、さすがに憶えてるでしょ。

うり坊
うん、さすがにあれは、忘れられない試合だね。

ヒツジ
あの頃は、ボールも、人も、よく動くサッカーだったのよ。

うり坊
うーん… エメルソンとか… 達也とか…

ヒツジ
あと、山瀬ね。

うり坊
あー、山瀬ね、あんたの大好きな。
山瀬かー… 確かにあの人は特別だったなー。
よく言われる「二列目からの飛び出し」っての、
山瀬をイメージすると、よくわかるよね。

ヒツジ
ホントにわかるの? そんな簡単なものじゃないですよ。

うり坊
うるさい! それじゃ話が進まない!
でもさー、その「ボールも人もよく動くサッカー」って、
結局はあんたの好みじゃないの?
「システムはどうでも、勝てばいい」って人もいるだろうし、
「守って守ってカウンター」が好きな人もいるだろうしさ。

ヒツジ
それはそうですよ。好みの問題ですよ。

うり坊
それじゃ、どうすれば、その「ボールも人もよく動くサッカー」が
実現できるわけ? そこんとこ、詳しく説明してよ。

ヒツジ
そんなことは、監督が考えることですよ。
そのために、いっぱいお金もらってるんだから。

うり坊
なんだよそれー!?
そんなんじゃ、レベルの高いサポーターにはなれないんじゃないの?

ヒツジ
わたしはそんなこと、望んでませんよ。

うり坊
まぁ… 確かに。そんなの意味ないけどさ。

ヒツジ
山瀬がいなくなって、ワシントンが入って、ポンテが入って…
そのうち、そういうサッカーではなくなっていった、ってことですよ。

うり坊
うーん… ワシントンと達也とじゃ、ダメなのかね?

ヒツジ
あの2人は、まだベストコンディションで組んでいないからね。

うり坊
ふーむ。
てゆーか、その「ボールも人もよく動くサッカー」ってさ、
何か理想的な試合があったの? 80年代のヨーロッパとか?

ヒツジ
それは教えられませんよ。

うり坊
ちょっと! 真面目に答えなさいよ。
何か基準になる試合がないと、良し悪しなんか判断できないはずだよ。
 はっ!ひらめき電球今あたし、イイこと言った!?
 これって、谷崎の女性についての考え方と、同じじゃないの!?
 文学とサッカーとがつながることなんてあんの!? きぃっ!!

ヒツジ

だから、
「ビデオテープが擦り切れるまで何度も何度も観たいと思えるサッカー」
ですよ。

うり坊
あー… なるほど。なるほどね。
あの雨のジュビロ戦より後だと、どの試合?

ヒツジ
…無いね。

うり坊
…無いね、そんな風にして観た試合、そういえば。
でも、あのセカンドステージ優勝のビデオはよく観てたじゃん。
あれ? ナビスコカップ優勝だっけ?

ヒツジ
あの頃は、今とは違うからね。

うり坊
あー、そーね。
ほんでもさー、去年のレッズに関しては、
内容はともかく、結果が必要だった、と思うよ。
とにかく一度、優勝してみる、その経験が重要だったと思うわけ。
でも今年は、それじゃダメなんだよね、きっと。
どんな内容でも、とにかく勝てばいい、ってわけじゃない。
もしかして、優勝の翌年って、一番難しいんじゃない?
そのタイミングで監督を代えるって、けっこうリスキーだよな…

ヒツジ
だからレアルのサポーターはカペッロ要らないって言ってるんでしょ。

うり坊
あー… なるほどねー…
とりあえず、今のレッズを観て、どうよ?

ヒツジ
ブルズカップとXEROXしか観てないからね。
練習場に足を運んでいる記者やサポーターなら、
もっとよくわかるんだろうけど…

うり坊
いや、それは確かにそうだけど、でもあたしらは金を払って
「試合」を観に行ってるわけだから、
「練習」の内容は、判断基準として必須ではないんじゃないの?

ヒツジ
そうだけど、でも、どういう練習をしているか見れば、
どこに照準を合わせているか、だいたいわかるでしょ。

うり坊
あー、なんか、直前まで、30分も走らせてたって言ってたね。

ヒツジ
そう。ということは、照準はXEROXにも開幕にも合わせていない、
ってことになるはずなのよ。

うり坊
なるほど。
あたしも今年は開幕ダッシュには期待してないからなー。
でもさ、開幕3連戦なんでしょ?
ここで大コケしたら、優勝、かなりキビしくない?

ヒツジ
うん。でも今年はACLもあるから、ACLも含めて
年間通してやっていける身体を作っているとしか思えない。
もしああいう練習をしていて、開幕戦に照準を合わせているとしたら…

うり坊
なによ。

ヒツジ
ドイツにお帰り下さい、ですよ。

うり坊
えぇっ? そこまで言っちゃうの?
…試しにドイツ語にしてみていい?

ヒツジ
どうぞ。

うり坊
えっと、ワールドカップの Messi に対する言い方を真似て…
Holger geh heim!
いや、まだ Sie だな。
Gehen Sie heim, herr Osieck!
…イヤだ、こんなこと、言いたくないっあせる