改版したわけではないみたいですね…
「新潮文庫の100冊」に選ばれたから
カバーを替えただけみたい。
ジョージがナオミを引き取った理由は、
光源氏のように、ナオミを教育して、自分の好み通りの
「妻」に仕立て上げることが本来の目的であったはずです。
しかしナオミは、「人形」や「装飾品」や「娼婦」を経て、
最後は「ナオミ」という完成品になりましたとさ。
ナオミと「ナオミ」はどう違うか…
うーん、作品中に「ナオミ」とカッコ付きで書いてある箇所は
無さそうなので、私が勝手に「ナオミ」としたのですが。
ジョージは、
「こんなに美しい女を妻にしているオレ」を
世間に見せびらかしたかった、と告白しています。
しかし、「お伽噺の家」の外に出たジョージは、
本物の品の良さ(汽車で乗り合わせた婦人達)や、
本物の肌の白さ(シュレムスカヤ夫人)や、
本物の女らしさ(女優の春野綺羅子)を目の当たりにし、
どれも付焼刃のナオミとの落差を思い知らされてしまいます。
ちょっとページが飛びますが、最終的にナオミが到達したのは
他の誰でもないあたし、「ナオミ」じゃないかな、と思うのです。
ジョージが創り上げたかった「ナオミ」は、
「西洋人と比べても負けない知性と美貌を兼ね備えた婦人」
であったのですが、どうやらそれは無理な相談みたい。
それどころか、全くの逆方向に突っ走って行くナオミ。
でもジョージは、
「浮気と我が儘という欠点を取ったらナオミの値打ちはなくなる」
ということを知っています。
結局思い通りにいかなかったナオミの「教育」ですが、それでも
出来上がった「ナオミ」の足下に跪き、服従していくのです。
女を捨てた『秘密
』の男より、よっぽど良くないですか?
まだ人間味がありますよね!![]()