先日Perfumeのドームライブ写真集のパッケージが発表されましたね。

$Stairway to SEVENTH HEAVEN-ドーム写真集


これを見て『ああ、やっぱり。』と確信した事があってこの記事を書いています。
今回はいつになく固い話になりますがお付き合い下さい(;^_^A







いきなりですが、美術の世界で「ミニマルアート」と呼ばれるジャンルを聞いた事はあるでしょうか?
本格的に確立したのは1950年代から60年代にかけてで、装飾的・説明的な部分を
できるだけ削ぎ落とし、シンプルな形と色を使用して表現する彫刻や絵画の事を差します。

ま、実例を見てもらうのが早いでしょう。



ミニマルアートの代表とされる画家の一人、フランク・ステラの「ハラスⅡ」。

$Stairway to SEVENTH HEAVEN-フランク・ステラ「ハラスⅡ」











そしてこうしたムーブメント以前に平面構成だけで絵画の一ジャンルを作り上げたのが
オランダの画家ピエト・モンドリアン。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ピエト・モンドリアン

彼の代表作とされる2作をご覧頂きましょう。

①「赤、黄、青と黒のコンポジション」(以下「コンポジション」)

$Stairway to SEVENTH HEAVEN-ピエト・モンドリアン「コンポジション」





②「ブロードウエイ・ブギウギ」

$Stairway to SEVENTH HEAVEN-ピエト・モンドリアン「ブロードウエイ・ブギウギ」










特に①の「コンポジション」は見た事ある人も多いのでは?

有名な所では65年にイブ・サンローランがこの絵をそのまま服のデザインに用いた
「モンドリアンルック」があります。

$Stairway to SEVENTH HEAVEN-モンドリアンルック






また、②も⊿DVDのジャケットを連想してしまったりw









 さて本題。
以前から、Perfume関連のデザイニングに幾何学模様が欠かせないのはお気づきでしょう。
衣裳面でもELEY KISHIMOTO等、平面構成を多用するデザイナーの服がよく使われてますね。

最初の頃、僕はこうした傾向は関さんの趣味だと思ってたんですが
どうもそれだけじゃなさそうです。
スタイリストの研さんやTeamPerfumeのスタッフ全体が、意図的かどうかは分かりませんが
事有るごとに幾何学模様を使ってます。(昨年から特に顕著になりましたね。)

そして、それがまたPerfumeにバッチリハマる訳ですな。



衣裳で言えば、インディーズ時代に遡っても60年代的なテイストがあります。
メジャーデビュー以降は一時agnes b.を使ったりしてますが、やはりデザインはシンプル。

 彼女達の髪型は勿論、キャラクターも周知の通り古風な面があります。
こうした特徴を生かす戦略的なものかどうかはともかく、トータルで一貫したコンセプトが
感じられるのは同意頂けると思います。





そして何よりPerfumeにミニマリズムを感じるのは、他ならぬメンバー自身が頑なに守り通してる
『ライブは3人だけでステージに立つ』というポリシーです。

バンドは最初から不要な音楽スタイルだとしても、無駄な装飾となるバックダンサーを排除して
文字通り「直角二等辺三角形」を描いて万単位の観客を惹き付けるパフォーマンスをやってのける。

ーもはや存在自体がミニマルアートの領域に達しつつある気がしたんですよね。

おそらく本人達はそんなつもりは無いかもしれないけどσ(^_^;)





『どんな歌番組に出てもPerfumeは異質に映る』という意見が度々界隈でも出ます。

それは音楽性だけではなく、こうしたTeamPerfumeのアート志向が、大衆迎合型のTVには
馴染まないので浮いて見えるのでは?と。
(もっとも昨今はメディアに大衆が踊らされる方が多い気もしますがねww)

デビュー以来サブカル系雑誌には好意的に取り上げられてきたのも、TVとは逆に
その辺が彼らの鼻をくすぐった所があるのかもしれません。






で、ここに来て徐々にPerfumeサイドの活動が、TV寄りにシフトしつつある様に見えるのが
少々気がかりではあります。
自らが「ライブこそホーム。」と言ってるので心配無いと思いたいですが
案外3人ともミーハーな所もあるからなあ(笑)

変なバラエティに出るんだったら、是非ラジオ番組を増やして欲しいものですね(^_^)v





写真集から随分話が飛躍しました。
実は今回こんな記事を書くきっかけの一つがこの動画です。
Perfumeの名前の通り『オリジナルの香水をプロデュースしたい』と
どこかで言ってたと思いますが、こんなボトルで付録に付けたら良いのにw