息子には理由を話し、「あなたの定期預金を使わせてほしい」とお願いした。産まれてすぐから少しずつ貯めていった大事な大事な預金で、出来ることなら手を付けたくなかった。しかし、生活ができない。悔しさと申し訳なさで涙がでた。そんな私に息子は「うん、使っていいよ!」と快諾してくれた。


間もなく失業保険が受給開始になるというタイミングで、再就職が決まった。何か運命を感じる求人で、迷わず応募した会社だった。この直感は当たり、この先の人生を共にするであろう人と出会った。それと平行するように、普通では体験することのない出来事を数えきれないほど味わったが、これは機会があったらまた書いていこうと思います。


会社の人間関係にも恵まれ、息子も中学生になった。息子は自転車通学だったが、入学後間もなく2週間の徒歩通学となった。ヘルメットがゴムひもでしっかりと荷台にくくりつけられていなかったから、という理由だった。またある時は、学校から帰宅後、制服のまま外出したということで、またペナルティがあったような記憶がある。今でこそ「たかがそれくらいで」、と思うようなことばかりだったが、当時の私は息子に対して腹立たしい気持ちで一杯だった。