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dottles

僕自身を繋ぎ止めて、突き放すために。


ウェールズ語で「もう帰れない場所に帰りたいと思う気持ち」らしい。
どこで聞いたかも忘れたけど、半年前くらいのiPhoneメモに残されていた。
こんな些細な感情に名前が付いているのかと感動した、覚えがある。

そういうの、もっと欲しい。

雨の中を歩いているのに、差している傘で川の水をすくってやりたくなるような気持ちとか。
中学の頃に不良にたまたま一言二言くらい話しかけられただけなのに、不良と仲良いんだぜアピールを周りの人にしたくていつもより笑い声が大きくなってしまった瞬間とか。
果てしなく美味しいものを、自分よりも彼女や小さな従兄弟に食べさせたくなる、あの、温かい気持ちとか。

言葉で表せないものが多すぎる。

全てが言葉で表せたら良いのに。

表せたら、詩も、音楽も、絵や写真すら存在しないんじゃないかと思う。
いや、正確には存在しないんじゃなくて、存在する必要が、ない。

何が言いたいかって、スーパー自意識過剰の人類史上最強のナルシストの僕が、苦悩してしまうから、自身の感性を素晴らしいと思っている自分がいるのに、全てをうまく表現できないから。
雨の中の傘も名前すら覚えていない不良も、起きたら忘れてしまうくらい美味しいごはんも、全部全部「ある種の嫉妬」として片付けてしまう、そんな自分がスーパー嫌いで人類史上最悪にダサくて、クソ。
そんなだから、尊敬に門限がついてしまう。

ヒライス。
もう帰れない場所に帰りたいと思う気持ち。

まだ体育座りのまま動けない僕には分からない。