根岸(鶯谷)「鍵屋」(大人のディズニーランド29) | 白州本樹のブログ

根岸(鶯谷)「鍵屋」(大人のディズニーランド29)

1999年から2010年まで

台東区入谷に住んでいまして、


ここは僕にとっては第2の故郷とも言える街です。


今日はそんな入谷界隈のうち、

日比谷線入谷駅とJR鶯谷駅の間、


「根岸」「下谷」エリアを散歩しながら、


夜は「ちょこっと一杯」と行こうと思います。


先ずはJR鶯谷駅から

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南口のロータリーです。

かつてはここに一軒宿の様な作りの


「公望荘」と言う蕎麦屋がありました…

(2016年1月撮影…)

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が、今は跡形もありません…


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蕎麦の名店でしたが、なんで無くなってしまったのか本当に残念です…


駅舎のある山側は緑の多い寛永寺の敷地ですが、

谷側は一転してラブホテルが迷路の様に入り組む異界が広がります。


そのラビラントの入口に昔からある人気店


やきとりの「ささのや」

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一本70円とかでした。

特別美味い訳ではないけど、とにかく安いので、よく1.2本だけ摘んで帰ったりしていました。


その隣、「スター東京」と言うレトロなグランドキャバレーがあった所も駐車場になってました…

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グランドキャバレー、
今東京に何軒残ってるのでしょうか…


反対側にある東京キネマ倶楽部とダンスホールはまだ健在でした。

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外観より中が渋いんです…
残しておきたい昭和遺産です。

立ち食いそばでは圧倒的に美味かった名店「本陣そば」が…
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モツ焼き屋に…

鶯谷にあった蕎麦の名店が2つも消え…

「富士そば」だけが生き残っているのがなんだか納得いきません…


迷宮の入口に密集する飲屋街。

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「順子」

この中でも最古参と言ってましたが、

今日は残念ながらおやすみです…

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また次回…


言問通りに出まして、


焼肉の名店と言われる「鶯谷園」

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かなりの名店らしいのですが

「いつか行きたいいつか行きたい」と思いつつ、まだ入った事がありません…


鶯谷駅北口に出ます。

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駅前に酒場が連なります…


居酒屋「関所」

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昔一回位行ったかな…


「鶯谷」と言う住所は無く、

この辺一帯の住所は「根岸」になります。


根岸小学校の裏手にある洋食屋


純洋食「グリル ビクトリア」

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一度入ろうとした事があるのですが、その瞬間どこからともなく爺さんが現れ、

「ここまずい!」と言い出して、


それでも入ろうとするとなおも

「ここまずい!」と言って

結局入らせて貰えませんでした…


絶対に美味しいでしょここ?


下町の洋食屋さんって何故か必ずアンチな地元民がいて、


「ここまずい爺さん」に入店を阻まれた経験は他でもあります…


更に歩くと陸奥宗光の旧邸なるものも…

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長年住んだ街でしたが、

ここは今日初めてでした…


そして、根岸散歩のハイライトは、


東京三大居酒屋の一つと言われる


「鍵屋」さん


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流石に敷居が高くて今まで入って事はありません…


ところが!


店の前を通りがかると、丁度開店準備中だった主人が


「あれ?素通り?」


と、声をかけてくるではないですか…


「ビール一杯だけでもいいからどうぞ…」と…


これはもう

お邪魔するしかないじゃないですか…


という事で急遽、

根岸、下谷散歩はここでお終い!


よもやの酒場放浪記スタートとなりました…

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大正時代に建てられたという建物の中に入ると、


もうそこは時代劇のセットかと思うほどの内装。


「Always 3丁目の夕日観た事ある?あれ、うちがモデルなんだよ…」


気さくに話しかけてくるご主人に拍子抜けするくらいです…


単なる先入観により、20年近くも躊躇していたのが嘘のようです…



入谷に10年住んでいた話をすると、ご主人は嬉しそうに色々と話してくれました。


ご主人が生まれ育った家は、今は武蔵小金井にある

「江戸東京たてもの園」と言う所に移築、保存されているらしく、


丁寧にパンフレットまで頂戴しました。

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これがその初代「鍵屋」


江戸時代1856年に酒屋としてスタートしたらしいです。

ここで生まれ育ったって言うんだから凄い話ですが、


今の建物だって十分凄いですよ。


「写真撮っていいですか?」と尋ねたら

お客さんが写ってなければとの事。

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ご主人も「かぎや」の徳利を出して、気さくにポーズをとってくれました。
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赤星で乾杯
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お通しの煮豆もとても品のある味
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とりあえず女将さんに何がおススメかを伺います。
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合鴨と冷奴、あるいは煮奴もおススメとの事なので、


合鴨塩焼きと煮奴を頼んでみる。

合鴨塩焼き
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うん…
思わす唸るほど、
ほんのりと聞いた山椒の加減が絶妙でした。
流石の一品です。

煮奴
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甘い出汁がなんとも言えず上品で、
更にネギ、そして卓上の七味をかけると劇的に美味さが増します。

何気なく置いてある七味も大手メーカーの安価な七味ではありません。

風味の効いた七味を置いてます。
手を抜いていません…

冷奴も
一体どんなおススメの一品だったのでしょうね…

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締めて2人で2400円

全く予定外の訪問で、
軽く嗜んだ程度でしたが、

とてもこころ安らぐ豊かな時間と空間を頂きました。

何物にも代え難いこの緩やかで贅沢な時間は、
都会人が急速に失っているものではないでしょうか…

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いやぁ、のっけからこういうのがあると嬉しいです。

そして我々は再び「散歩」を再開しつつ、

次の一軒を目指すのでした…