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腰部脊柱管狭窄症は、加齢や骨格の変形によって脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され
ることで起こる病気です。代表的な症状は、下肢の痛みやしびれです。症状が進行す
ると、歩行障害や排尿・排便障害が現れることもあります。
近年、腰痛を抱える方が増え、腰部脊柱管狭窄症と診断される方も増加傾向にありま
す。しかし、すべての腰痛が腰部脊柱管狭窄症とは限りません。適切な診断と治療を
受けるためには、専門家による診察が不可欠です。
慢性的な圧迫が招く悪循環：痛みの原因物質
腰部脊柱管狭窄症では、神経が慢性的に圧迫されることで、以下の物質が過剰に放出
されると考えられています。
・ブラジキニン：炎症や痛みを引き起こす
・プロスタグランジン：炎症や痛み、発熱を引き起こす
・神経伝達物質：痛みを感じる信号を脳に伝える
これらの物質が過剰に放出されると、炎症や痛みがさらに悪化し、悪循環に陥る可能
性があります。
症状と進行
腰部脊柱管狭窄症の主な症状は以下の通りです。
・下肢の痛みやしびれ：歩行時に出現することが多く、休息すると改善する。進行す
ると、安静時にも痛みやしびれを感じるようになる。
・間歇性跛行：数分歩くと脚の痛みやしびれのために歩行が困難になり、休憩すると
症状が改善し、再び歩けるようになる。
・排尿・排便障害：進行すると、膀胱や直腸の機能障害が現れ、排尿や排便が困難に
なることもある。
症状は個人差ら大きく、軽度から重度まで様々です。軽度の場合、日常生活に支障が
ないこともありますが、進行すると日常生活に支障をきたすだけでなく、歩行困難や
寝たきりになることもあります。
原因
腰部脊柱管狭窄症の原因は様々ですが、主に以下のことが考えられます。
・加齢による骨や軟骨の変形：加齢とともに、背骨を構成する骨や軟骨が変性し、脊
柱菅が狭くなる。
・椎間板ヘルニア：椎間板が突出し、神経を圧迫する。
・黄靭帯肥厚：背骨を支える靭帯が厚くなる。
・脊椎すべり症：背骨がずれる。
これらの原因が複合的に重なり、脊柱菅が狭くなることで、神経が圧迫されます。
診断
腰部脊柱管狭窄症の診断には、以下の方法があります。
・問診：症状や経過について詳しく聞く
・身体検査：下肢の筋力や感覚などを検査する
・画像検査：レントゲン、CT、MRIなどで脊柱の状態を詳しく調べる
・神経伝達速度検査：神経の機能を検査する。
これらの検査結果を総合的に判断して、診断されます
治療
腰部脊柱管狭窄症の治療法は、症状の程度や原因によって異なります。
・保存療法：薬物療法、理学療法、装具療法など。
・手術療法：脊柱管を広げる手術を行う。
保存療法で改善がみられない場合や、症状が進行している場合は、手術療法が検討さ
れます。
生活習慣の改善
腰部脊柱管狭窄症の予防や症状の悪化を防ぐためには、生活習慣の改善が重要です。
・適度な運動：ウォーキングや水泳など、無理のない運動を継続する。
・体重管理：肥満は腰への負担を増やすため、適正体重を維持する。
・禁煙：喫煙は血管を収縮させ、血流を悪化させる。
・正しい姿勢：猫背などの悪い姿勢は腰への負担を増やすため、正しい姿勢を意識す
る。
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