『おはようございまーす。』



『今日のスケジュールさぁ…』

















『おはようございます!』




「あっ…おはよ。」

















明日がレコ大、明後日が紅白とNYPだから
今日は最終の打ち合わせと最後のスタジオ
リハーサルがある…

















『礼奈さん…体調、悪いです?』




「えっ?」




『すごくキツそうな顔してます…』




「ちょっと…風邪引いちゃって…(笑)」




『そうなんですか!?
   あんまり無理しないでくださいね!?』




「うん。ありがと…」

















昨日から微熱と頭痛がある…





でも…今は忙しくて休めない…
























白「佐伯。」

















オフィスの廊下で白戸さんとすれ違って
声をかけられた…

















「おはようございます…」




白「あれから…どう?」




「あぁ…えっと…」




白「まだ…話せてねぇの…?」




「……」

















『休憩しよう』と白戸さんに誘われ…





コーヒーを買って貰って2人でテラスに出た…





































白「あの日…
      アイツと話すって聞いてたからさ…
      時計…渡した時の秀太の反応見て…
      《まだ話してなかったんだ》と思った…」




「あの日は…タイミング…合わなくて…
   会え…なくて…その…」




白「……」




「それからも…
   ずっと…忙しかったんで…」

















会えなかったんじゃない…













会うことが…怖くて…

















逃げたんだ…

















白「やっぱ…俺が原因?」




「えっ…いや…」




白「秀太のことかなり挑発したからなぁ…」




「……」




白「俺も大人気ねぇことしたけど(笑)」




「それは…違います…」




白「違う?」




「私が…悪いんです…」




白「んっ…?」




「秀太のこと…
   また…傷つけてしまったから…」




白「……」










あの時…





私が逃げてしまったから…














秀太のことを…





傷つけてしまった…

















「あっ…時間…」




白「おっ…そうだな。そろそろ行こうか。」




「はい。」




白「……」










…フワッ










「どうしました!?///」










白戸さんが急に私の額に手を当てて顔を
じーっと見ている…

















白「お前、熱あるだろ。」




「えっ…?」




白「マスクしててもすげぇ顔色悪いぞ。」




「大丈夫です…ただの風邪なんで…」




白「明日からが本番で忙しいんだから、今日は
      もう帰って休め。」




「でも…」




白「お前が大丈夫でも、他のスタッフが体調を
      崩しても困るし、もしメンバーが体調崩し
      たら仕事に響くだろ。今はただでさえ気を
      抜けない時なんだから。
      体調悪い奴がいることの方が迷惑だよ。」




「すみません…」




白「とりあえず、下のクリニックで休んでこい。
      休んで体調が良くなれば、それからどうする
      か考えればいいから。」




「はい…」

























『おはようございます!』


秀「おはよぉ〜。」

















リハ前に打ち合わせがあったから、昼前に
会社に来た…

















與「おはよぉ。」




秀「おはよぉ。」




與「秀太も今日はタクシー?」




秀「うん。行きに用事あったから。」

















金「じゃあ、頼んでいい?」


『はい。下のクリニックですよね?』


金「うん。今日はもう帰るようにって伝えてて。」


『わかりました。伝えときます。

















真司郎と会議室に向かっていると、さっきーと
チームスタッフの子が見覚えのある鞄を持って
話している姿が目に入った…

















與「なんかあったん?」




金「わっ!おはようございます!」




秀「それ…」




『あっ!この鞄ですか?
   礼奈さんのなんです。今から届けるとこで。』




秀「えっ…?」




金「……?



      礼奈ちゃん、熱が出ちゃったみたいで…
      今クリニックで診てもらって休んでるから
      届けてこいって…白戸さんが…」




與「……」




秀「そっ…か…」




『じゃあ、行ってきます。』




金「うん。お願いね。」




與「行ってらっしゃ〜い。」




秀「……」

















スタッフの子がエレベーターへ向かう姿を
見ながら俺らは会議室へ向かった…
























秀「あっ…あんさぁ…!」