北木島の最大の見どころは、金風呂フェリー乗り場の近くにある「石切りの渓谷」です。
ここは、良質な花崗岩を産出している日本屈指の景観を誇る採石場です。
以前は、事前予約制でしたが、日本遺産に登録されたことにより、2019年8月より
毎日12時から13時の時間帯のみ展望台の見学(有料)ができるようになりました。
高さ約60mの展望台は免震構造となっていて、小さな揺れを感じるので、
展望台からは、海が見えます。丁場は、高品質の石を求めて、海面下約70mの深さまで掘られており、
最大高低差は約200mもあります。
北木石は、白を主とし、中目と瀬戸白、瀬戸赤、サビ石の4種類があります。
ここの丁場から採石されるのは中目で、特徴は極めて光沢があり、ねばりもあるので加工が容易で、
角が欠けたり折れにくいため、鳥居材や墓石財に適しています。
また地下深くから取り出された石は、地圧で目が締っているため錆びにくいという特徴もあります。
石切りの展望台からは断崖絶壁のダイナミックな景観を楽しむことができます。
この丁場(採石場)では現在も採石が続いており、ジェットバーナーで焼き切った石をワイヤーで吊り上げています。
下を覗き込むと深緑色をした水深約40mの丁場湖が見えます。
「石切りの渓谷」の創業は1892年で、明治時代より続く唯一の採石場です。
もっとも盛んだった1957年(昭和32年)には、127ケ所の丁場が稼働していました。
島で採石される「北木石」は、大坂城の石垣や、靖国神社の大鳥居、東京駅丸の内駅舎、
大阪市中央公会堂、日本銀行本店などに使われ、文字通り山を削って日本を築いた島といえるでしょう。
石切りの渓谷展望台で絶景を堪能したら、豊浦方面へ戻りましょう。
その途中にある千ノ浜の護岸景観は「北木のベニス」と呼ばれています。丁場から切り出した石を積み出した小さな港です。
護岸は大小の端材を巧みに組み上げたもので、北木石の原産地ならではの景観といえます。
時間帯によって水位の変わる船着場では、岩壁の反射や光の加減によって鮮やかな青緑のグラデーションが水面に描かれます。



