迷走「定額給付金」、それ程の愚策か? | こころ、デトックス

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自傷癖国家日本。絶滅危惧種日本人。

「定額給付金」は国民の8割が反対。と言うのがマスコミの慣用句になっている。
反対理由は、
 ①景気対策の効果がはっきりしない、或いは、効果が期待できない。
 ②もっと良い使い道があるのじゃないか。
ということのようだ。更には、①の意見を補足するように、
 ③額が小さすぎる大きければ効果があるかも?と言う意見や、
 ④贅沢品の消費に回らず、生活費や貯蓄に回り景気浮揚に繋がらない。
と言うことのようだ。
ついでに言うと、出れば取りあえず、貰っておくというのも民意らしい。

いずれも、もっとものようだが、そもそも「定額給付金」は、唐突に(と思えるほど急激に)発生した金融危機、経済危機に”緊急に”、”即効的”に対応するために提案されたものだった。

政府の迷走振りがこの大反対合唱を生んだが、100%効果のある対案など誰も答えようがない。
ましてや、もしも、「2兆円あったら」と言うような議論すべき性格のものではないのではないか?

読売新聞にこのような使い道の提言があった。

定額給付金使い道

さて、確かに良さそうに見える提案である。しかし、景気浮揚策として即効性があるか?、税金の使い道として、国民が公平、広範囲に恩得を享受できるか?、はなはだ疑問である。
土地も、人材も、技術も、付帯費用も、民間との調整も、何もかも考慮されないが、..... 希望一杯の案ではある。

「2兆円で何ができるか」という議論百家争鳴、取り留めのない議論になる。
緊急景気対策とは別次元の議論ではないだろうか。
そりゃ、「イージス艦14隻」と言うような提案だって................. 出てくる。

マスコミは連日、恐慌のような悲惨な状況を報道しているが、一方で政局(政治の混乱)の後押しをするかのような報道も多い。

我が国は本当に「経済危機のさなかなのか?」とさえ思えてくる。

給付金の2兆円があれば

 = 読売新聞・社会面 2009/01/08 = を転記,

政府が国民一人当たり1万2000円を支給する方針を決めている「定額給付金」。総額2兆円は、兵庫県の2008年度予算(約1兆9762億円)と同規模だが、庶民にはどうもピンと来ない。その額の意味を今一度、考えてみよう。


紙幣を印刷する独立行政法人の国立印刷局などによると、2兆円分の1万円札を横に並べると約3万2000キロメートル。北方領土の択捉島から沖縄・与那国島までを5往復し、積み上げると高さは2万メートルで成層圏に達するという。途方もない額だが、給付金以外でどのような使い道が考えられるだろうか。


厚生労働省によると、昨年10月から今年3月までに職を失ったか失うことが決まっている非正規
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労働者は約8万5000人と推計されている。総務省の労働力調査では、派遣社員133万人のうち84万人が年収100~299万円だったことから、年収一人200万円とすれば1年間で100万人の雇用を創出できる勘定だ。


保育園の待機児童も一気に減らせる可能性がある。厚生省によると、全国の待機児童数は約2万人(昨年4月1日現在)。定員40人の公立保育園を3億円で建設し、4人の保育士をそれぞれ年収300万円で雇うと仮定した場合に、2万人の待機児童を受け入れ可能にする費用は単純計算で1560億円。建設費や保育士数などをより多く見積もったとしても、2兆円あればなんとかなりそうだ。


「日本中の小中学校をエコ学校に変えられる」と語るのは文部科学省の若手職員。公立小中約3万2500校の運動場をすべて芝生にし、屋根に太陽光パネルを設置しても1兆6700億円だ。「全ての工事をしてもお釣りがくる」と話す。


2010年度完成予定の国際宇宙ステーションの日本の出費は6000億円。「2兆円あれば、日本が宇宙開発のトップに躍り出れる」と文部省幹部はため息を漏らす。

最近になって麻生首相は、給付金による消費刺激の効果を強調するようになった。確かに、1999年に予算総額7000億円で商品券の形で配られた「地域振興券」だは、当時の経済企画庁が「新たな消費に2000億円が回った」とぶんせきしていた。


ただ、定額給付金の効果の見通しについては、専門家の間でも見解が分かれている。今のご時世、1万2000円をありがたいと思う人がいるのは当然だ。ただ、まとまった額を政策投資した場合の「公共の利益」も捨てがたい気がする。


(石川 純)



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