小泉元首相引退 | こころ、デトックス

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小泉元首相引退 「構造改革後」が問われている

                                          (9月27日付・読売社説)


戦後3番目の長期政権を担い、今も一定の政治的影響力を持つ元首相の突然の引退である。

自民党の小泉純一郎・元首相が、後継を二男に託し、次期衆院選への不出馬を表明した。

郵政や道路公団の民営化など、いわゆる「小泉構造改革」の評価が定まるまでには、なお時間を必要としよう。対北朝鮮外交も「未完」のままである。

あるじが退場しても、「小泉政治」は、功罪が問われ続ける。

 小泉政治の特徴は「反永田町、反官僚、反派閥」にあった。

 「自民党をぶっ壊す」「聖域なき構造改革」のスローガンが、それを象徴していた。2001年、首相の座に就くと、8割を超す驚異的な支持率を得て、低迷する自民党の党勢を盛り返した。

 派閥の推薦名簿によらない組閣人事を貫き、経済財政諮問会議を中核とする「首相官邸」主導の政治を推進した。

金融機関の不良債権処理を果たし、一枚看板である郵政三事業の民営化には強くこだわった。

郵政民営化関連法案が参院で否決されると、衆院を強引に解散した。今回の引退劇同様、意表をつく政治行動だった。

民営化を拒む候補に「刺客」を立てる郵政選挙で、「小泉劇場」はピークに達した。このポピュリズム(大衆迎合)的政治手法は、政治をエンターテインメント化するなどの弊害をもたらした。

経済政策でみられた「市場万能主義」は、拝金主義の風潮を生んだ。社会保障制度や消費税率引き上げなどの税制の抜本改革は手つかずのままで、後継政権に重くのしかかっている。

 一方、イラクへの陸上自衛隊派遣は、歴史的な政治決断だった。国連平和維持活動(PKO)以外では初めての陸自の海外派遣は、日本の国際平和協力活動に新たな地平を切り開いた。高く評価されるべきだろう。

電撃的な訪朝では、北朝鮮の金正日総書記に日本人拉致を認めさせた。近隣国の国家犯罪が白日の下にさらされ、日本人の安全保障観をただす契機になった。

ただ、靖国神社参拝を続け、中国との関係は悪化した。日中関係の修復は、安倍元首相の訪中を待たねばならなかった。

小泉政治の是非は、衆院解散・総選挙を控えた今も、議論の的である。その政策の何を受け継ぎ、何を切り捨てるのか。自民党も民主党も、その作業が政権公約の明確化に役立つだろう。


2008年9月27日01時52分 読売新聞)

小泉元首相が突然の引退宣言。
世の権力者が去るときは往々にして、その失政がここぞとばかり語られる、体制を批判することがジャーナリズムと信じているマスコミにとっても、敵対した勢力にとっても、次代の権力者にとってさえ.............。

しかし、小泉元首相の功績については、功罪半ばの声も多い。
とにもかくにも、任期を全うし、郵政民営化に代表されるように公約を実現した近年数少ない首相ということもあるのだろう。

北朝鮮に自ら出向き、拉致被害者とその家族の帰国を一部なりとも実現させた行動力も評価されていいと思う。
(帰国が実現していない拉致被害者家族会の批判はあるが......)。


ただ、次男を後継に指名したことが大きな話題(批判)となりそうな気配である。

自民党に「二世議員」など多くいるからだろう、与党のあら捜しが政権鳥(取)の近道とばかり、政治そっちのけの民主党鳩山幹事長なぞは、絵に描いたような政治一家を棚に挙げ、「鳩返し(失礼、オウム返し)」よろしく暗~い顔でこき下ろしていましたね。

「世襲議員」の何がそれほど悪いのか理解できない。
スポーツ界、歌舞伎の世界、落語家、華道、茶道、職人の技の伝承、そこまで特殊じゃなくても親の職業を継ぐことがそんなに悪いことなのか?

息子、娘であれば自動的に何の苦労なしに親の跡を継げると思うのは短絡的、あるいは嫉妬心?
難しい仕事だからこそ身近にいて身に着けていく、そんなこともあるのではないだろうか。

私なぞ凡人には、政治家は大変だな、絶対できないと、掛け値なしに感心したりで、無責任に批判だけ繰り返すマスコミ人の精神的強さに舌を巻く。

後継者不足を危惧したり、跡取りがいて良いですね的、お涙番組を流したり、猛烈な「世襲」批判をするニュースキャースターの子息が七光り芸能人だったり、評論家の子息が評論家の卵だったりして...............。

民主鳩山幹事長、「普通のお父さんだ」

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は27日、高松市での会合で、政界引退を表明した小泉元首相が次男を後継者としたことについて「奇人とか変人とかいわれた小泉さんが凡人になってしまった。

単なる普通のお父さんだ。子どもがかわいいのか」と述べ、世襲を批判した。


自らに関しては「(政治家)4世の鳩山が言っている」と話し出席者の笑いを誘った上で、「違う選挙区から出ている」と強調した。


 [2008年9月28日9時54分 ニッカンスポーツ紙面から]



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