今日は縫製工程分析表の考え方を書きます。
今、仕事がら縫製工場の社長や工場長と話をする機会が多々あるのですが、レディースのデザインものは縫製工程数が多くて率が合わないと言われます。
ごもっとも!
縫い手の私は縫製工賃の矛盾がわかるだけに反論できず、泣き落としてきに縫ってくれるようにお願いするだけなのです。
さらにメーカーサイドが考える縫製工賃はベーシックなジャケットやコートのように裏つきで袖が付いているものと、切り替えがあるカジュアルなベストでは売値も高いコートの方が工賃が高く、工程数が多く縫いの時間がかかるベストの方が縫製工賃が安くなっている現実があるのです。
本当は縫製工程分析表から1枚に要する時間などで工賃を出していくのが理想ではあるのですが、それをやっているメーカーがどれだけあるか・・・?(-"-;A
基本的に縫製工程分析表は縫製工場が製品の設備、所要時間、コストを算出するために必要なものなのです。
(o^-')b 洋裁初心者さんには、ちょっと専門的で理解しにくいところは読み飛ばして下さい。
上の写真は縫製工程分析表のJIS記号で定められているものです。
機械の種類
所要時間を書いていくのです。
初めて工程分析をする人はパターンのパーツを全て並べて考えてみると解りやすいかと思います。
もしこんなパンツの工程分析表を作成すると
これは特殊ミシンも何も無い状態で1人上げした場合を想定した工程表です。
一般の方はこのようにパターンのパーツを横軸に書いて、第1アイロン工程でアイロンをできるところを全てまとめると良いです。
写真では工程がよく見えないですよね。
パンツの場合、接着芯を貼る工程は別にして、第1アイロンで持ち出し、ダーツ、裾折り、ポケット口割りとすると
持ち出し、ダーツ、ポケットも1本縫ってからでないとダメなのが解りますか?
なのでミシンに先にのって、縫えるところを先に縫ってから第1アイロンになるわけなのですが、ここで初心者さんが気をつけること!
注意
脇、股下は縫ってはいけません。
まずはポケットを終わらせて、裾を先に折り目をつけます。(折り目をつけるだけで、脇を縫うときは折り目は開いて縫います)ベルト付けはまだ先の工程だけどベルト布は第一アイロンで折っておけますよね。
このように出来る部分はまとめておこなっていくのです。
この質問をしてきた教え子は海外の縫製工場に向けて縫製工程表とCTM算出を仕事でやらなくてはならなくなったということだったので、ちょっとここからは業界的な知識として書きますね。
縫製工程分析表を作成するのには、その工場がどんな設備を持っているか?そして工程表を作成する製品は何人のラインに流すかが判っていないと作製することが出来ないのです。
使用機種の記号例
LS2 - 1本針本縫いミシン
EF4 - オーバーロック
CM3 - ルイスミシン
PH4- ハトメ穴かがりミシン
LK3 - かんぬきミシン
上のパンツなどは玉縁ポケットを作るミシンがある工場なのか、ボタン付けミシンは穴明きのみなのか、足つきボタン付けミシンもあるのかなどなど特殊ミシンの種類、台数、裾の三つ折ステッチはバインダーでアイロンなしで工程を進めるのか、そしてその製品に使用できるアイロンの台数などを把握することが必須です。
そして、それを何人のラインにのせていくかで工程時間が全く違ってくるのです。
縫製工程を分析することで附属の確認、機械の配置、アタッチメントの準備、人の配置が明確になります。
さらに、検査工程などの組み込みによって、品質向上につながっていくのです。
何だかとめどもなく書いてしまいましたが、洋裁初心者さんへ工程のアドバイスです。
はじめにアイロンのできるところはアイロンで折ってみましょう。
例えば巾着の袋を作るときに本縫いミシンにのる前にアイロンで口の紐を通す部分をアイロンして、スリットのロックが解らなければ、先に回りをロックしてアイロンで折っておくなどやってみてください。
注意
アイロンで折り目をつけておくだけです。縫う時は折った部分を開いて縫います。
解ってる!て言われそうですが、これは私が10年間学生を教えていた経験上感じたことで初心者さんの陥りやすい間違いで折ったまま脇を縫ったりするもので・・・。
不思議と勘違いをする箇所って同じなのです。考えすぎて間違う箇所とかもそうでした。
時間を作ってそんな洋裁における注意事項を今後も書いていきたいと思っていますが、又なかなか更新できない可能性が・・・。(T▽T;) 本当にほんとうに気長にお付き合いをお願い致します。
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