ここのところ、うちの薪ストーブでは、山から持ってきた倒木の杉を燃やしています。
しかしながら針葉樹類は、薪ストーブの薪としては、嫌われる傾向があります。
それでも、針葉樹なりに燃やしてやれば、結構暖かいものです。
そんな訳で、今日は私なりに良いと思われる針葉樹の燃やし方です。
結局、勢いよく燃やす、と言う事が解決策なので、鉄板の薄い、3~4000円くらいで売っているストーブには、結局適さないかもしれません。寿命が縮みます。
まず、余っている木の代表格、杉。ヒバも傾向は同じです。
杉は、生木の状態ではとにかく水分が多く、乾燥も思ったように進みません。これが嫌われる第一の要因で、この水分の多さが様々な弊害を生みます。
乾燥していない杉は、相当燃えにくいです。他の樹種以上に含水率が高い事と、乾燥した時の杉の比重の低さによります。木の成分に対して、水分がかなり多いのです。
コナラ辺りだと、木の比重が重く、適正な時に切ったものであれば含水率も割合に低いので、切ってからそう時間が経っていなくても、燃えます。
なので、乾燥に気を使う必要があります。
燃やし方についてですが、油分が多いのですすが溜まるとよく言われますが、これは、他の広葉樹の雑木と同様に燃やそうと思うと、、すすが溜まりやすい事は確かです。
じゃあ、どうしたらすすがたまらないかというと、一気に燃やしてしまう事です。吸入空気を多めにして、温度を上げて燃やしてしまいます。そうすると、空気の流れが速い事もそうですが、すすになる油分も燃えてしまうので、すすが溜まりにくくなります。
もちろん、これでは薪の持ちが非常に悪いわけですが、朝一番なんかで一気に暖めたい時は非常に有用です。
つけ始めてからの温度の上がりが一番早いのは、やはり杉ですので、こういう使い方が良いと思います。
こういう使い方をすると、右に出るものはいません。
但し、比重が軽いので、火持ちはかなり悪く、体積の割りに火力が少ないので、薪として貯めておくのには広いスペースが要ります。コナラ辺りなら、体積的には半分程度で済みます。
お次は、松。うちで良く出るのは赤松です。
松は、薪ストーブの薪としては、杉以上に嫌われます。
乾燥したとしても、通常の状態では燃えにくく、ブスブスすすばかり出るように思います。
じゃあ、どうやったら燃えるのかと言うと、高温で燃やすとものすごい温度で燃えます。
しかし、この高温は、杉を勢いよく燃やした以上に高温になるので、安い薪ストーブにはお勧めできないかもしれません。下手すると、ストーブ側面の鉄板が赤くなります。そんな訳で、鉄板が薄いストーブの寿命は著しく縮む場合があるので、鉄板が薄い場合はお勧めできません。
ただ問題なのは、この高温には、松だけで燃やしても到達しません。松だけでは、低温時は、油分が多すぎます。ちょっとの杉の焚き付けだけで最初から燃やそうと思っても、ほぼ付かないで消えてしまいます。
この状態をもうちょっと良く説明すると、油分が多いので、杉の焚き付けで松があぶられると、油分が蒸発してそれには火がつきますが、松の木自体にはなかなかつきません。松の木に火が付いたとしても、蒸発する油分で、空気が松の木に届かなくなり、消えます。ただこれは、焚き火なんかで、周囲が空気だらけの時はまた別です。
つまり、それ程油分が多いと言う事です。
じゃあ、どうやったら燃えるのかと言うと、他の樹種、特に杉と混ぜて燃やす事です。薪ストーブで一番高温を維持できる組み合わせはこれだと思います。また、この時も空気の吸入量を多めにします。
ただ、最初は、杉だけを燃やして高温にしてから、後から松をその上に乗せる感じにするのが良いと思います。
こうやって燃やすと、杉は火持ちが悪いのであっという間になくなりますが、松が結構残るので、松よりは杉が多めになると思います。
この高温は、松にしか出来ない芸当です。そこそこ鉄板の厚さのあるストーブであれば、どんなに寒い朝でも、この組み合わせで暑いくらいです。
しかし、ストーブに当たっていられなくなるほど暑くなったりしますので、普段にはお勧めできません。
ちなみに、貯めておくスペースと言う事で、比重と言う事を考えると、比重自体は中くらいと思いますが、油分がかなり多いので、火力的には相当なものです。
しかし、こういうちょっと特殊な燃やし方をしなければ燃えないので、あまり沢山は燃やせないと思いますので、沢山貯めても燃やしきらないと思います。でも、ちょっとあるといざと言う時にものすごい勢いで燃やせるので、あると良いです。
最後は落葉松。
これは、地域にもよると思いますが、余っていれば余っている木で、うちの山には余るほどは生えていませんが、枝を拾って好んで燃やしています。私個人的には、好きな樹種です。
基本的には、比重もあるので、貯めておくのにも適しています。油分もあります。
生木だと乾燥しにくいかもしれませんが、そこそこ乾燥すれば戦力になりますし、落葉樹ですので、切る時期を選べば、最初の含水率を低く出来ます。
特性的に言うと、ちょっと高めの温度を維持してくれます。木の成分もかなりあるので、比較的低い温度からでも燃えます。赤松のように油が多すぎると言う事もありません。
バランス的に言うと、杉くらいなのですが、比重があるので、その倍くらい火持ちがすると言う感じで、かなり優等生だと思いますが、低温で燃やし続けるのは苦手なようです。落葉松だけ燃やして、空気を絞ると、消えてしまいます。しかし、杉でも同じ傾向です。
それと、低温で燃やすと、油分はあるので、すすは出ます。
一言で言うと、火持ちが2倍くらいの杉、と言う事になると思います。ただ、杉のように最初から勢い良く燃える、と言う事はないので、その点は杉に譲ります。
良く燃やすためには、温度高めで燃やすと、かなり暖かいです。暖かいと感じる所の一番高い辺りの温度で燃えますので、赤松ほど熱くはありません。
普通の薪として考えて使っても、優等生な部類の薪だと思います。
まあ、言うなれば、杉は2Lのスーパーチャージャー、松は2L+TD06くらいのタービン、落葉松は2L+TD05くらいのタービン、と言う感じでしょうか。
これになぞらえれば、コナラは3~4LのNAと言う感じだと思います。
今時は、薪としては、針葉樹は見向きもされない傾向がありますが、山に行けば結構ゴロゴロ放置してあったりして、ただ腐らせるのには忍びないところもあるので、こういった特性を理解しつつ、燃やしてみてはいかがでしょうか?
しかしながら針葉樹類は、薪ストーブの薪としては、嫌われる傾向があります。
それでも、針葉樹なりに燃やしてやれば、結構暖かいものです。
そんな訳で、今日は私なりに良いと思われる針葉樹の燃やし方です。
結局、勢いよく燃やす、と言う事が解決策なので、鉄板の薄い、3~4000円くらいで売っているストーブには、結局適さないかもしれません。寿命が縮みます。
まず、余っている木の代表格、杉。ヒバも傾向は同じです。
杉は、生木の状態ではとにかく水分が多く、乾燥も思ったように進みません。これが嫌われる第一の要因で、この水分の多さが様々な弊害を生みます。
乾燥していない杉は、相当燃えにくいです。他の樹種以上に含水率が高い事と、乾燥した時の杉の比重の低さによります。木の成分に対して、水分がかなり多いのです。
コナラ辺りだと、木の比重が重く、適正な時に切ったものであれば含水率も割合に低いので、切ってからそう時間が経っていなくても、燃えます。
なので、乾燥に気を使う必要があります。
燃やし方についてですが、油分が多いのですすが溜まるとよく言われますが、これは、他の広葉樹の雑木と同様に燃やそうと思うと、、すすが溜まりやすい事は確かです。
じゃあ、どうしたらすすがたまらないかというと、一気に燃やしてしまう事です。吸入空気を多めにして、温度を上げて燃やしてしまいます。そうすると、空気の流れが速い事もそうですが、すすになる油分も燃えてしまうので、すすが溜まりにくくなります。
もちろん、これでは薪の持ちが非常に悪いわけですが、朝一番なんかで一気に暖めたい時は非常に有用です。
つけ始めてからの温度の上がりが一番早いのは、やはり杉ですので、こういう使い方が良いと思います。
こういう使い方をすると、右に出るものはいません。
但し、比重が軽いので、火持ちはかなり悪く、体積の割りに火力が少ないので、薪として貯めておくのには広いスペースが要ります。コナラ辺りなら、体積的には半分程度で済みます。
お次は、松。うちで良く出るのは赤松です。
松は、薪ストーブの薪としては、杉以上に嫌われます。
乾燥したとしても、通常の状態では燃えにくく、ブスブスすすばかり出るように思います。
じゃあ、どうやったら燃えるのかと言うと、高温で燃やすとものすごい温度で燃えます。
しかし、この高温は、杉を勢いよく燃やした以上に高温になるので、安い薪ストーブにはお勧めできないかもしれません。下手すると、ストーブ側面の鉄板が赤くなります。そんな訳で、鉄板が薄いストーブの寿命は著しく縮む場合があるので、鉄板が薄い場合はお勧めできません。
ただ問題なのは、この高温には、松だけで燃やしても到達しません。松だけでは、低温時は、油分が多すぎます。ちょっとの杉の焚き付けだけで最初から燃やそうと思っても、ほぼ付かないで消えてしまいます。
この状態をもうちょっと良く説明すると、油分が多いので、杉の焚き付けで松があぶられると、油分が蒸発してそれには火がつきますが、松の木自体にはなかなかつきません。松の木に火が付いたとしても、蒸発する油分で、空気が松の木に届かなくなり、消えます。ただこれは、焚き火なんかで、周囲が空気だらけの時はまた別です。
つまり、それ程油分が多いと言う事です。
じゃあ、どうやったら燃えるのかと言うと、他の樹種、特に杉と混ぜて燃やす事です。薪ストーブで一番高温を維持できる組み合わせはこれだと思います。また、この時も空気の吸入量を多めにします。
ただ、最初は、杉だけを燃やして高温にしてから、後から松をその上に乗せる感じにするのが良いと思います。
こうやって燃やすと、杉は火持ちが悪いのであっという間になくなりますが、松が結構残るので、松よりは杉が多めになると思います。
この高温は、松にしか出来ない芸当です。そこそこ鉄板の厚さのあるストーブであれば、どんなに寒い朝でも、この組み合わせで暑いくらいです。
しかし、ストーブに当たっていられなくなるほど暑くなったりしますので、普段にはお勧めできません。
ちなみに、貯めておくスペースと言う事で、比重と言う事を考えると、比重自体は中くらいと思いますが、油分がかなり多いので、火力的には相当なものです。
しかし、こういうちょっと特殊な燃やし方をしなければ燃えないので、あまり沢山は燃やせないと思いますので、沢山貯めても燃やしきらないと思います。でも、ちょっとあるといざと言う時にものすごい勢いで燃やせるので、あると良いです。
最後は落葉松。
これは、地域にもよると思いますが、余っていれば余っている木で、うちの山には余るほどは生えていませんが、枝を拾って好んで燃やしています。私個人的には、好きな樹種です。
基本的には、比重もあるので、貯めておくのにも適しています。油分もあります。
生木だと乾燥しにくいかもしれませんが、そこそこ乾燥すれば戦力になりますし、落葉樹ですので、切る時期を選べば、最初の含水率を低く出来ます。
特性的に言うと、ちょっと高めの温度を維持してくれます。木の成分もかなりあるので、比較的低い温度からでも燃えます。赤松のように油が多すぎると言う事もありません。
バランス的に言うと、杉くらいなのですが、比重があるので、その倍くらい火持ちがすると言う感じで、かなり優等生だと思いますが、低温で燃やし続けるのは苦手なようです。落葉松だけ燃やして、空気を絞ると、消えてしまいます。しかし、杉でも同じ傾向です。
それと、低温で燃やすと、油分はあるので、すすは出ます。
一言で言うと、火持ちが2倍くらいの杉、と言う事になると思います。ただ、杉のように最初から勢い良く燃える、と言う事はないので、その点は杉に譲ります。
良く燃やすためには、温度高めで燃やすと、かなり暖かいです。暖かいと感じる所の一番高い辺りの温度で燃えますので、赤松ほど熱くはありません。
普通の薪として考えて使っても、優等生な部類の薪だと思います。
まあ、言うなれば、杉は2Lのスーパーチャージャー、松は2L+TD06くらいのタービン、落葉松は2L+TD05くらいのタービン、と言う感じでしょうか。
これになぞらえれば、コナラは3~4LのNAと言う感じだと思います。
今時は、薪としては、針葉樹は見向きもされない傾向がありますが、山に行けば結構ゴロゴロ放置してあったりして、ただ腐らせるのには忍びないところもあるので、こういった特性を理解しつつ、燃やしてみてはいかがでしょうか?