今日は、思い出話です。数年前の薪切の時の話です。
私がこれまでで見た中で一番美しいと思った光景の話です。
私の山は雑木山で、上を見上げるとこんな風です。
これだと今年はちょっと見れないかな、と思っております。
その時はもうちょっと葉が黄色で、もうちょっと枝が込んでいる場所で、もうちょっとまだ葉っぱが付いていました。写真はちょっと雲がありますが、その時はかなり天気のいい青空だったと思います。
低い木を倒し、玉切りをしている最中だったと思います。
風もなく、天気も良く、暖かく、静かな日でした。
ところが、一瞬だけかなり強風が吹いたのです。
木が揺れますから、瞬間的に上を見ました。そうしたら、
凄く沢山の葉っぱがひらひらと、舞いながら降り注いで来ます。
日が高い頃で、葉っぱに太陽が反射してきらきらと光りながら舞い降りてきます。
風はもう収まっていて、垂直に、本当に緩やかにひらひらと降りてきます。
それが、見上げた視界隙間なくいっぱいに広がりました。
目の遠近感を失う程の圧倒的な光景です。
恐らく、10秒程度の出来事だったと思います。
音は覚えていませんが、静かだったと思います。
本当に、美しく、優しく、圧倒的な光景でした。
恐らく、私が一生見る光景の中で一番美しい光景だと思います。この先も、ああいう光景に会えるかどうかはわかりませんが、あれ以上はかなり難しいと思います。
色々考えてみると、確率的にはかなり低いかもしれません。条件的には、強風が吹く事の無い日がかなり続き、緩やかに寒くなる事がまず先に必要で、当日天気が良く、何より難しいのが、一瞬だけ風が吹く、という事です。風が吹き続けては、垂直に降りて来ず、方向がバラバラだったり、落ちてくる速度が速かったりすると思います。
10年も薪切をしていると思いますが、それほどの光景に出会ったのは、その時だけです。本当にこの世のものとは思えない、美しい光景でした。
今思い返しても、私はああいう光景に出会えて、本当に幸せだなぁ、と思えるほどの素晴らしい光景でした。